おかしな二人に御用心❷

おかしな二人に御用心❷

(とだ+がき+みつ)

 


*現実の方々とは無関係のフィクションの世界です。

*本文の無断複製・転載等行為を禁じます。

*おふざけ気味なので要注意です。

 


 ピンクの某夫婦みたいな格好すら腹立たしく見えるのに、撮ってくれと頼んでいない写真を撮られては怒りたくもなるのは当然のこと。

 

「ほら笑って〜」

「にっこり」

 

 反射的に笑ってしまった。

 

(パシャッパシャッ)

 

「そのスマイル素敵ですね、キャッハー」

「撮らんといて言うてるやろ…ウガーッ」

 

 激おこプンプン状態まで到達したわたしは、カメラを奪うためピンクの小柄な方に向かってオフィス内にもかかわらず飛びつき走り出した。

 

「ぎゃっ!! 戸田さん追いかけてこないでください」

「待たんかこらーっ」

「ひぇええ、羊さんヘルプ〜〜」

「ピンチはチャンスって言うんだよ、里帆子ちゃんファイト」

 

 羊さんは新垣の隣に移動しながら里帆ちゃんを応援する声が聞こえる。

 

「ここ最近怒ったトッティーばかり見てるような…」

「新垣さんだったら恵梨香ちゃんをすぐに止められるんでしょ?」

「それは…怒り方次第だと思いますよ」

「あら、あなたがあの子の一番の理解者だと思ってたけど、違ったのかな?」

「……理解はしていますが…何とも言えないです」

 

 何を二人で話してるのか不明だが、何故か新垣の表情が強張っているようだ…

 

 カメラを取ろうとオフィスの奥まで追い詰めてパッパッと捕まえようと動くも、意外と俊敏な里帆ちゃんはわたしの横をすり抜けてオフィスの外へ出ようと考えたのか、入り口へと急ぎ足で向かっていた。

 

「コラーッ、あなた達オフィスの中で暴れたらダメでしょう!」

 

 通話を終えた様子の吉瀬さんは、騒ぎを聞きつけてこちらへ大声で怒鳴りつけているが、その怒声が飛んできたと同時にオフィスから退出した里帆ちゃんとわたしは、そのまま追いかけっこが続いた。

 

「カメラだけ置いたら見逃してあげてもええよー」

「カメラは渡さないように羊さんから言われているんです。ごめんなさい」

「ハァハァ…しんど…息が切れてきたわ」

「ハァハァ…わたしも息切れが…あっ!!?」

「えっ、わっ!!?」

「「ンガッ、痛ーっ!!」」

 

 総務部フロアの階段に向かって走っていた里帆ちゃんの前に人影が不意に現れて、里帆ちゃんと鉢合わせしてお互いにおデコをゴチンッと強めにぶつけてしまう様子が見えた。

 

「えっ…そんな…み、みつきちゃん…大丈夫?」

「……ぅぅ…頭ぶつけて…ピヨピヨ飛んでる…」

「…うーイタタッ…ごめんなさい…大丈夫でしたか、って…谷村さん?!!」

「…ピヨピヨの他には恵梨香さんは見える? えっと…呼吸はしてる、脈もある、意識はどうやろ…」

「うーん…ピヨピヨ可愛い…ぅぅ…」

「こりゃあかん、脳震盪っぽいわ…里帆ちゃん至急医務室の先生呼んできて」

「は、はい! 分かりました」

 

 その後アイシングの応急処置をして休ませてから病院へ連れて行き、医師にきちんと診てもらった美月ちゃんは軽い頭部の打撲ということで、ひとまず無事だったのでした。

 

 病院からタクシーに乗った帰り道のこと…

 

「何でうちがこんな目に合わんとあかんのやろな…ジロッ」

「うぅぅ…その件は本当に申し訳ありませんでした…」

「美月ちゃんが無事だったからよかったけど、ああいう追いかけっこは今後やめとこうね…」

「すみません…以後気をつけます」

「頭上で飛んでたピヨピヨ可愛かったなぁ…ねえ恵梨香さん、ピヨちゃん一匹飼ってもいい?」

「ええ、うちの家で飼うの? 動物は一応OKな賃貸やけど、ピヨちゃんからニワトリはさすがに…なぁ」

「谷村さんって意外と物好きなんですね」

 

 里帆ちゃんは一言余計なタイプなんだろうなと、今回の件で彼女の本質が少し見えたような気がした。

 

「物好きと違うし! ぅぅ…頭ズキズキ痛い…」

「ほら、会社着くまで膝枕で寝とってもいいよ」

「えりかさんありがとう、スヤァ…」

「寝るの早過ぎ!」

 


 翌日、この二人に嵐を呼ぶ異変が起こってしまう事になるとは、この時誰も予想だにしなかったのである。

 嵐を呼ぶ女 谷村さんが行く❹へと続く…