とだくんとあらがきくん (その6)

とだくんとあらがきくん (その6)

 


*現実の方々とは無関係のフィクションの世界です。

*本文の無断複製・転載等行為を禁じます。

**主要人物はほぼ全員男体化の作品になっておりますので、苦手な方には先にお詫びしておきます。

 

 

トッティー面倒見がいいし、優しくて頼りになる良いお兄ちゃんなのは凄く分かるな」

「そうですよね、だからこれからも慕っていきたいと思っています」

 

 戸田くんが谷村くんのことをどう思っているのか今の時点では不明だから、安心するのはまだ早いけど、谷村くんとは仲良くなりたいと思えるようになっていた。

 

「谷村くんはいつ見かけても気難しい顔で資料読んだりしてて近寄りがたい後輩だと思っていたんだけど…」

「ははっ…皆さんに同じこと言われています…私、やっぱりダメな奴ですね…」

 

 しょぼんと落ち込ませてしまい、慌てて違うよっとフォローを入れた。

 

「ううん、違うよ。今はもう親しみやすくて笑顔が可愛くて性格も穏やかで気に入ったし、僕のこともお兄ちゃんだと思ってくれていいから」

 

 谷村くんは頬を染めて頭をガジガジと掻き、褒められ慣れていないのか照れている様子だ。

 

「ありがとうございます。褒められ慣れていないので照れますね…えへへっ」

「小柄で華奢だけど、筋肉は意外と付いてるみたいだねー、ふむふむ…触り心地いいねぇ」

「…ぁ…ぅ…胸元とか触り過ぎですよぉ…」

「ふふっごめんごめん」

 

 時間を忘れて谷村くんを可愛がっているところに、バンッと大きな音を立てて休憩室の扉が開き、谷村くんと二人同時にビクッと驚いて体を寄せ合いソファーの上で身を縮こませてしまった。

 

「見つけたでー、コラ新垣っ! 早くあんたを探して来なさいって天海室長が御立腹なんやけど!!」

「と、トッティー…ごめんなさい…」

 

 休憩室の奥に座っている僕達の方へとズカズカとやって来た戸田くんは、目を吊り上げて眉間にしわを寄せた不機嫌な顔をしていたが…

 

「ムーッ、ムカムカ〜〜…あーーっ!? あんたなんで美月くんとイチャイチャくっついてんの??!」

「えっとこれはその…」

「新垣さんはうちの話を嫌がりもせず聞いてくださった優しい方なので、えりかさんお願いだから怒らんといて」

 

 僕からそっと離れて戸田くんの元へ駆け寄り両手を取って怒りを鎮めるように懇願する谷村くん。

 

「美月くん…あーもう〜その眉下げて困ってる顔もむっちゃかわええなぁ!」

「もう怒ってへん…?」

「うんうん、もう怒ってへんよ。今晩もうち来てご飯食べて一緒に寝ようね♡」

 

 谷村くんとイチャイチャくっついてヨシヨシ頭を撫でる戸田くん達は、どこからどう見てもラブラブカップルのように見えてしまうのですが…

 

「ホントにお兄ちゃんと弟の…関係なのか…??」

「人前でうちを溺愛するのはダメですってば、好きな人に誤解されてしまいますよ! あっむぐぐぅっ…」

「あ、ちょっ、ストップーー!! 何を言ってるのか僕わからなへんな〜うふふっふふふふっ…(ドラえも◯の声真似)」

 

 今度は突然谷村くんの口を指で摘んで塞ぎ、何かを誤魔化すように珍しく挙動がおかしくなった戸田くんを久しぶりに見た気がする。

 

「あの〜、お取り込み中のところ悪いんだけど、そろそろ戻った方がいいような…」

「そうだった!! 美月くんまた連絡するね〜、ほらガッちゃん早よ戻ろな」

「うん、谷村くんまたね」

「はい!」

 

 ペコッと一礼して小さく手を振る谷村くんを休憩室に残し、僕は戸田くんに手を引かれてオフィスへと戻る階段を登っていた。

 戸田くんは休憩室へと突入してきた時の不機嫌な様子は全く見られず、不思議と穏やかな表情で前を向いて歩いている。

 

トッティー…僕、色々と誤解してた…ごめん」

「ええよ、美月くんが懇願して庇うくらいあんたがええ奴やって改めて分かったしな」

「天海室長に谷村くんを溺愛してると言ったこととか、自分もきっと同じように怒ったと思うし…」

「まあ、美月くんを溺愛してんのはホンマやから否定せんけど…スケベ野郎とか、もうあっち行って! と、オフィス内で言われて拒絶されたんが結構ショックやったんよ…」

 

 戸田くんの手が汗をかいて心なしか緊張して震えているのが伝わってくるのは気のせいではない…?

 僕は君を意識しているから、ぎゅっとしがみ付かれたあの時、下腹部が疼いてしまうくらい身悶えていたと言ったら引いてしまうだろうか…

 

 オフィスがある階の踊り場まで着いた。