京香ママの子離れ奮闘記 ⑷

京香ママの子離れ奮闘記 ⑷

 


*現実の方々とは無関係のフィクションの世界です。

*本文の無断複製・転載等行為を禁じます。

*京香さんがお母さんというパラレル設定でも大丈夫な方は、どうぞお付き合いくださいませ。

 

 

 ガチャガチャ…バンッ。

 

 そこへ、玄関の鍵とドアが開く大きな音が聞こえて、朝食を食べている二人とわたしは突然の物音にビクッとなり、二人の姉のどちらかが帰宅したのだろうと三人は顔を見合わせて頷き、ダイニングへと入って来るのを静かに待っていると…

 

「あーーっ!コラッ、モモ待って、まだ足拭いてないからあかんて!」

 

 この騒がしい関西弁はどうやら長女が犬の散歩から帰って来た様子だ。

 ガッガッ、ドタタタタッと爪の音を立ててダイニングに一番乗りで走ってやって来たのは、三女の波瑠ちゃんに一番懐いている日本スピッツの小型犬のモモちゃんだった。

 

「わぁいモモ〜っヨシヨシお帰り。お姉ちゃんとお散歩してきたの〜よかったねぇ〜〜♪」

「わんっわんっ!」

 

 波瑠ちゃんは座っていた椅子から立ち上がって素早い動作でしゃがみ込み、モモちゃん相手に満面の笑みを浮かべて撫で回しているのが可愛いのである。

 波瑠ちゃんの横に比嘉さんもつられてしゃがみ、モモちゃんをもふもふ撫でてあげている。

 

「モモちゃ〜ん♪  愛未さんも居るよー、もふもふフワフワでカワイイし癒されるね〜」

「比嘉さんも犬好きなのね」

「そうなの、だからわたしも愛未さんが大好きなんだよ、ね〜」

「ね〜」

 

 ね〜と見つめ合って仲睦まじい二人に、ママは喜びと寂しさが半分ずつ胸に渦巻いているから少々複雑だった。

 

「母さんただいま。ほいっ波瑠ちゃん足拭きタオル、モモちゃんの足拭いてあげてな」

「恵梨香お姉ちゃんお帰り〜とお散歩お疲れさま。ほーらモモちゃん足ふきふきしようねー」

 

 もう一匹のミニチュアダックスフンドのチョコちゃんを抱きかかえて、遅れてダイニングへと入って来たのは我が家の長女 恵梨香ちゃん。

 

 性格は気が強めで物怖じせずにズバッとモノを言うところがあるが、本当はとっても優しくて愛嬌があり繊細な子なのだ。ちなみにわたしと波瑠ちゃんとは違う部署に所属しており、仕事は意外と出来る方らしい。

 

「母さんそこ、意外とじゃなくてめっちゃ仕事出来るに訂正してくれへん?」

「恵梨香ちゃんたら、地の文の説明にまでつっこまないの」

「第一印象が大事なんやから、ね〜チョコ♡」

「きゃんきゃんっ!」

 

 恵梨香ちゃんに一番懐いているチョコちゃんは尻尾をブンブン振って喜びを露わにじゃれついている。

 

「ワンちゃんと戯れてたら朝食どころじゃなくなっちゃうね〜チョコちゃんも久しぶり、ヨシヨシ」

「うおっ、愛未いつの間におったん?」

「恵梨香がお散歩行ってから目覚めて朝食頂いてたんだー」

「目覚めてってどういうことなん? まさかうちの妹にエロいことしよったんちゃうやろね?」

 ジロッと睨むような瞳の恵梨香ちゃん。

「してないしてない! 波瑠ちゃんに衣服脱がされてドキドキしたけど、朝までくっついてぐっすり眠ってました」

「愛未さん恥ずかしいからぶっちゃけないでよ〜」

「愛未は後でしばき決定やな」

「待って、大事な波瑠ちゃんには何もしてないから…本当だってば」

 

 比嘉さんは慌てた様子で誤解しないでと伝えている。

 恵梨香ちゃんと比嘉さんも二歳年の差があるのですが、恵梨香ちゃんのもう一人の同期と三人親友の間柄で仲良しさんなのである。

 

 それと、長女の恵梨香ちゃんが何故一人だけ関西弁なのかを説明すると、あの子が生まれる前から一時期関西支店に祐希さんと共に転勤しており、生まれてから数年間ほどそちらで暮らしていた為に、恵梨香ちゃんは今でも関西弁交じりで喋っているのだ。

 ちなみに波瑠ちゃんは関西弁に馴染みがあまりないので殆ど喋れません。

 次女については登場したらどんな子なのか一瞬でお分り頂けると思います。

 

「母さん説明サンクス。ほらほら、波瑠ちゃん達が朝食の途中やからモモとチョコはリビングに行くよ」

 

 二匹を器用に抱っこした恵梨香ちゃんはリビングへとテクテク歩いて行った。

 波瑠ちゃんと比嘉さんは順番に手を洗って、朝食の続きを食べ始めている。

 

「最近、恵梨香が少し元気ないように見えるんだけど、波瑠ちゃん何か知ってる?」

「んー? …お姉ちゃんいつもと同じテンションだったし、多分愛未さんの勘違いじゃないかな…」

 

 波瑠ちゃんは普段と比べると言い淀んでいる節があり、何か知ってるのだろうとわたしは直感的に察した。