京香ママの子離れ奮闘記 ⑶

京香ママの子離れ奮闘記 ⑶

 


*現実の方々とは無関係のフィクションの世界です。

*本文の無断複製・転載等行為を禁じます。

*京香さんがお母さんというパラレル設定でも大丈夫な方は、どうぞお付き合いくださいませ。

 


「二人が仲良く一緒にいるのはいいとして、比嘉さんに一つ質問します…」

「はい、何でしょう?」

 

 比嘉さんはデレっと緩んでいた顔からガラッと真剣な顔つきに変わり、わたしと真正面から向き合ってくれた。

 

「あなたは波瑠ちゃんとお付き合いをするとなると、どちらが嫁だと思うのかを聞きたいわ」

 

 比嘉さんは波瑠ちゃんをジッと眺めてから顔を緩ませたので、何かイケナイ想像でも浮かべているのだろうと思い、呆れてお叱りを入れようと口を開きかけて直ぐに、全く予想していない答えが返ってきたのだった。

 

「どちらかといえば波瑠ちゃんの旦那さんになりたいですが、わたしは本日改めて京香さんとお話し出来たことが嬉しくて、京香さんの娘になりたいと思いました」

 

 (どうしよう…可愛い…そんな答え予想外だわ…)

 

 頬を染めて照れ笑いする姿が物凄く可愛すぎたので、波瑠ちゃんは素敵なお嬢さんに惚れたようです。

 

「ママ、急に身震いしてトイレでも行きたくなってる?」

 波瑠ちゃんの天然な問いかけに笑ってしまう。

「あははっトイレじゃないのよ、わたしの娘になりたいと言ってくれて胸が震えるくらい嬉しかったの」

「お料理がお上手で仕事も家事も娘さん達への愛情も注がれているお母さんって素敵ですね〜」

「比嘉さんたらあんまり褒められると照れるじゃない、うふふっ今晩の夕食も食べて行くといいわ」

「わ〜ありがとうございます!」

 

 最近娘達から過保護だの過干渉してこないで!とか、しょっちゅうお風呂覗きに来ないで!やら、夜な夜なベッドに潜り込んでくるの禁止と散々言われているからか、比嘉さんが天使のようだと思うほど心舞い上がっていた。

 

「ママ〜、愛未さんがわたしの嫁だったら交際オーケーだったりする?」

「そうよ、波瑠ちゃんの嫁だったらオーケーするわ。だってわたし、娘を嫁に出したくないんだもの」

 

 娘達との交際相手の第一条件に嫁入りか婿入りしてもらえる人以外なら門前払いをすると(勝手に)決めているのである。

 嫁入りして同居してくれるなら同性の相手でも構わないし、溺愛する娘が増えて万々歳という、かなり世間からずれてる考えだと思われるでしょう。

 

「京香ママさん安心してください!わたしは、年の離れた弟と妹がいるので嫁入りしても問題無いのですよ〜〜」

「それなら将来安泰ね!よかったわ〜〜」

 

 テーブルの上でわたしと比嘉さんはお互いに腕を伸ばして両手で固い握手を交わしている姿を見ている波瑠ちゃんは、これで本当にいいのだろうか…うーんと首を傾げて悩ましい顔をしているのが見えた。

 

『子離れ出来ないダメママ街道一直線だから、そういう大事なことは簡単に許しちゃダメ!!』と祐希さんが怒る声が頭上から聞こえた気がした。

「はっ!!祐希さんの声が下りてきたわ…」

「モグモグモグ…んぐぐっ…!?ゴホッゴホッ…パパなんて言ってるの?」

「波瑠ちゃん大丈夫?というか、パパの声ってどういうこと??」

 

 サンドイッチを喉に詰まらせた波瑠ちゃんの背中をさすってあげる比嘉さんが驚きの表情で尋ねてきたので、旦那さんの言葉を二人に伝えることにした。

 

「(子離れ出来ないダメママ街道一直線だから) 、そういう大事なことは簡単に許しちゃダメ!!と言っていたわ…」

「んん?文頭でいきなり読点から始まったのが気になったんだけど!」

「そこは気にしないでいいのよ」

「気になるよね、波瑠ちゃん」

 

 波瑠ちゃんはこくんこくんと何度か頷き、珍しく目を細めてわたしを見つめている。

 

「とにかく、ママは祐希さんの声を頼りに、許すか許さないかこの場では決めずに、二人の関係を温かく時々厳しく見守ることにするわね」

「やっぱそうだよねぇ…愛未さん、なんかごめんね」

「ううん、謝らないで。波瑠ちゃんを誰より何よりも大事にして、ママとパパに認めてもらえるように頑張るね!」

 

 比嘉さんは波瑠ちゃんにニコニコ笑顔を見せガッツポーズをしており、この子なら認める日も近いのではないかと思ったのは二人には秘密にしておこう。


 京香ママによる恋愛過干渉の始まりになる予感がすると記入しておく…。