京香ママの子離れ奮闘記 ⑵

京香ママの子離れ奮闘記 ⑵

 


*現実の方々とは無関係のフィクションの世界です。

*本文の無断複製・転載等行為を禁じます。

*京香さんがお母さんというパラレル設定でも大丈夫な方は、どうぞお付き合いくださいませ。

 


 キッチンに立ち、少し遅目の朝食にハムチーズレタスのサンドイッチとスクランブルエッグを作りお皿に取り分けてキッチンカウンターに置いた。

 休日でもしっかりと朝昼晩とご飯を作ってあげて食べさせる、それが実家を居心地良くさせるポイントの一つであるのです…って、自分で意識的に親離れさせないようにしているじゃないの!とホットコーヒーを淹れながらいつもどおりの自分の脳内にツッコミを入れた。

 

 頭を抱えて唸っているところにゆったりとした普段着に着替え終えた波瑠ちゃんがやって来た。

 

「ママ、頭痛いの? 大丈夫?」

「波瑠ちゃんありがとう、ママは大丈夫だから朝食をとる準備しましょう」

「はーい、愛未さんはそっち座っててね」

「は〜い、失礼します」

 

 比嘉さんも波瑠ちゃんの大きめの服を借りて身につけており、きちんとお辞儀をしてから椅子を引いて着席し、嬉しそうに微笑みながらわたしと波瑠ちゃんを眺め始めていた。

 

「比嘉さん随分と嬉しそうね」

「波瑠ちゃんはお母さんと仲良しなのが見ていてすぐにわかるから、わたしも嬉しくなるんですよ」

 

 キッチンカウンターからサンドイッチとスクランブルエッグのお皿を手に取り、比嘉さんの手前に置くとありがとうございますとお礼の言葉をもらう。

 

「比嘉さんはお母さんとは仲良いの?」

「はいっ!とっても仲良くてお友達みたいに一緒にショッピングしたり映画を観たりしていますね。ただ…」

 どこか寂しげな雰囲気を纏い遠くを見つめる比嘉さん。

「愛未さんの実家は沖縄だから、お母さんや家族と過ごす時間が限られてるんだよ」

「そうそう、だから波瑠ちゃんや上二人のお姉ちゃんがママと一緒に生活してるのが微笑ましくて自分のことみたいに嬉しいし、ちょっと羨ましいなぁなんて思ってます」

「比嘉さん…わたしのことももう一人のママだと思ってくれていいのよ!」

「京香さん…ありがとうございます!」

 椅子に座っている比嘉さんをハグして包み込んであげた。

「…ママまで一瞬で虜にするなんて…さすが人懐っこい愛未先輩だな…」

 

 苦笑い気味な波瑠ちゃんはそろそろ愛未さんから離れて朝ご飯を食べようと言った。

 

 テーブルに飲み物まで全て揃い全員着席し終えて、朝食が二人分だけなのを見た波瑠ちゃんは気になって尋ねてきた。

 

「二人分ってことはママはもう食べたんだね。お姉ちゃん達は?」

「上のお姉ちゃんはモモちゃんとチョコちゃん(*天海家のペットのワンちゃん。2018年犬の名前ランキング一位と二位から付けました)のお散歩中で、あの子はまたお泊りしてくるって…ハァァ…」

「えっ、姉さんこの前もお泊りしてたよね…」

 

 長女は飼い犬のお散歩中で、次女はその⑴で書いたとおりに先輩の家でお泊りしているらしい…

 次女については、昨年辺りから家族と接する態度がガラッと変わってしまい、突然あの子に何が起こってしまったのか母親のわたしにもよくわからなくて、どうしたものかと途方にくれているのである。

 

 その話題は後々出てくるとして…その前に、母の目の前で仲良くスクランブルエッグを食べさせ合っている二人の関係について尋ねなければいけないではないか。

 

「ごほん、波瑠ちゃんと比嘉さんはどういった御関係なのか話してくれるかしら?」

「…愛未さんはわたしの大好きな人です」

 波瑠ちゃんは何の躊躇いもなく直球に好意を寄せていると語った。

「えっと確か…昨晩はお酒を飲み過ぎて酔い潰れてしまった波瑠ちゃんをお家のお部屋まで送って来て、蒸し暑いから愛未さんも脱いで〜!と言いながら止める間もなく自分で素早く脱ぎわたしも衣服を脱がされて抱き合ったまま二人は寝落ちしたのでした。以上が昨晩の主なハイライトです」

 

 なんと、うちの波瑠ちゃんの方が酔い潰れて比嘉さんにご迷惑をおかけする問題人物でした。

 

「…要するに、波瑠ちゃんが比嘉さんを脱がせてベッドに連れ込んで何もせずに抱き合ってぐっすり寝てたら、朝遅めにわたしが起こしに来ていたという流れでオーケー?」

「大体そうなんだけど、愛未さんとはこれから深い仲になりたいし、大好きだからずっと一緒にいたいの!」

 

 母に堂々と交際します宣言をするとは、三女は長女に似て本当に好きな物には好きだとはっきりと言うタイプなのだと分かっていても寂しいと感じてしまうのが母なのである。

 

「波瑠ちゃんありがとう!わたしも波瑠ちゃんが一番大好きだしずっと一緒にいたいと思ってるよ」

 

 二人は甘々で誰にも邪魔なんて出来ないようなオーラを放ち、わたしが待ったをかけるのは今のところ無理だと早々と判断し、ここで一つ重要な質問をすることにした。