京香ママの子離れ奮闘記 ⑴

京香ママの子離れ奮闘記 ⑴

 


*現実の方々とは無関係のフィクションの世界です。

*本文の無断複製・転載等行為を禁じます。

*京香さんがお母さんというパラレル設定でも大丈夫な方は、どうぞお付き合いくださいませ。

 


 わたしは三人娘を優しくもビシビシ厳しく育ててきたしっかり者のお母さんです。

 旦那さんの祐希さんは未解決商事の海外事業部所属で海外の支社にて長年単身赴任しているため、家のことから家族のことは殆どわたしに任せたまま海外でバリバリ仕事しているのである。

 そんなわたしも専業主婦というわけではなく、旦那さんと同じく未解決商事の食品系営業部の次長を務めており、働きながら三人娘と共に生活しているのだった。

 

 わたしの紹介はまた後々書いていくとして、これから家族を一人ずつ紹介していこうと思う。

 

 まずは、誰にでも平等に優しく、さっぱりとしいて女っぽさがあまりない男前な性格で、わたしの下で直属に働く部下でもあり、社内成績は中の下でまだまだ半人前の三女 波瑠ちゃん。

 その波瑠ちゃん含めて我が家は夫婦共働きで三人娘も会社員で働いて同居しているため、不自由なことはほぼ無く比較的裕福な大きめの一軒家で暮らしていた。

 正社員勤めで二十代半ばから後半にもなれば家を出て一人暮らしをしたい者が出て来ているはずなのに、どうして我が家は三姉妹共に実家暮らしなのかと聞かれたら、単身赴任の旦那さんが年に数えるほどしか帰って来れず、わたしが寂しいから一人も出て行かせたくないと思ってしまうのが一つの理由であり、つまり…

 

 子離れ出来ないしっかり者のダメな母親なのです。

 

 子供の自立を妨げることだと分かってはいるんだけど、いつまで経ってもまだその時期ではないと考えてしまったり、三人共可愛くて可愛くて独占欲が強いことが一番の原因だと思われます。

 これはそんなわたしが子離れするために奮闘する姿を描く物語(になる予定)だ。

 

 そして、休日には全部屋の掃除に時間を当てないといけないのですが、普段からお掃除を率先して手伝ってくれる次女は昨晩から先輩のお家で連泊してくると言っていた為、不在の様子だ。

 わたしは掃除機を両手で持ち、波瑠ちゃんのお部屋の前までやって来た。

 

 コンコン…

「波瑠ちゃん起きてる〜?」

 返事がない、ただのお寝坊さんのようだ。

 今度は先程より強めにドアをノックしてみた。

 コンコン!

「もしもーし、お部屋の掃除するからお母さん入るわよ〜」

 部屋は施錠されておらず、ガチャッと入って部屋を見渡すとベッドの掛け布団を被ったまま頭も出さずにふっくらとしており、波瑠ちゃんがまだ夢の中だということが一目でわかった。

「休日でもグダグダせずに早く起きて頂戴と毎回言ってるでしょう…掛け布団も干すから取るわよ」

 ガバッとお布団の上部を掴み持ち上げると、何ということでしょう…!!

「えっ・・・きゃあぁあああーーーっ!!?」

「ふわっ!! 何々ーーっ?! ママどうしたの??」

「ママどうしたのじゃないわよ! 何で下着姿で比嘉さんに抱きついて寝ているのかしら??」

 布団の中には、キャミソールにショートパンツ姿の比嘉さんに、ブラとショーツしか身につけていない波瑠ちゃんが抱きついていて、まんまる目玉を見開きわたしと目を合わせ固まったまま返事が返ってこなかった。

「ハァァ…波瑠ちゃん、とりあえず比嘉さんをすぐに起こしてくれる?」

「…あ、はいっ、わかりました。愛未さん起きて、京香ママが部屋に来てるから…」

 波瑠ちゃんにゆさゆさと揺らされて起こされた比嘉さんは目が覚めてすぐに波瑠ちゃんをギュッと抱きしめ直し、甘いひとときを過ごし始めていた。

「ん〜〜…はるちゃんおはよう…チュッチュッ…ンンッ♡」

「ンン〜…まなみさんおはよう…ぁぅ、ママの視線が痛い…」

「ん''っん''っ、比嘉さん…娘との甘いキスでようやくお目覚めですか?」

咳払いをして、比嘉さんへニコッと微笑みながら問いかける。

「んわぁあああ!!! え、あの、これはそのう…ご無沙汰しております、鈴木次長!」

 会社では娘達が生まれる前からずっと旧姓の鈴木のまま今でも変更せずにいるため、他の部署所属の比嘉さんも同様に鈴木次長と呼んでいるのである。

「一旦掃除機は部屋に置いていくから、早く起きて着替えて一階へ降りていらっしゃい」

 

 こういう時はどういう風に接したらいいのか実はよく分かっており、娘とその大事な人なのだろう彼女ときちんと向き合ってお話をすることにしている。

 

 長女に続いて三女までもそうなのかと複雑に思い、溜め息を吐きながらキッチンへと入って行くのでした。