平成ありがとう、令和の始まりSS 未解決商事の女子会2 ③

平成ありがとう、令和の始まりSS 未解決商事の女子会2 ③

 


*現実の方々とは無関係のフィクションの世界です。

*本文の無断複製・転載等行為を禁じます。

 


 複雑そうな表情で俯き気味な美月ちゃんの頭を撫でてポンポンと励ましの仕草で応えると、ふにゃっと緩ませた顔に変わったので、ひとまず大事ではないと安心した。

 紗季ちゃんと里帆ちゃんは比嘉に沖縄の名産品について質問したり、以前行った店は味が濃かった薄かったというような話題でワイワイ喋ってるのが聞こえる。

 

「沖縄の海めっちゃ綺麗やから、また一緒に潜りに行きたいな…」

「それってうちを誘ってくれてるんですか…?」

「うちが今話しかけているのは隣の君しかおらんのやけど」

 美月ちゃんに最初に声を掛けた日と同様に目元をニッと緩ませて笑いかけると、あっと思い出したと瞳を輝かせて楽しそうな声が返ってきた。

「あっ、それって最初ナンパしてくれた時の! ちゃんと覚えてますよー♪」

「ねーねー、ナンパってなになに〜?」

「まなみどんだけ耳聡いのよ! ていうか、ナンパじゃなくてアタックして話し掛けた、に訂正しとくから」

「待って恵梨香、いつ美月ちゃんにアタックしたの?? それ詳しく聞きたい!」

 顔を乗り出す勢いで聞いてくる比嘉にうろたえて、あちゃー…愛未に余計なことを言ってしまったと紗季ちゃんに目配せしてヘルプ信号を送ったが、紗季ちゃんよりも早く美月ちゃんが話を逸らすためのフォローをしてくれるみたいだった。

 

「恵梨香さんったらこの間、華にも今度ご飯うちに食べにおいでな〜言うてアタックしてましたもんね〜、隣で耳ダンボにして聞いてましたよ」

「んん…? (黒木さんにはしてないけど、ここは話合わせなあかんのか) あーっと…そういえば、したした!」

「そうなの!? 恵梨香は結衣に飽き足らず、どんだけ女の子タラシたら気が済むのよー」

「羊さんも営業部門では女子からの人気が凄い人ですが、戸田さんもコーポレート部門の同期や若い女子達から熱烈なキスされたい〜とか、お付き合いしたい!って話をよく耳にしていますよ」

「吉岡の期だけじゃなく、うちの期も戸田さんファンの子が大勢いますね」

「…へぇー、軟派な羊さんにもごっついライバルがいたんやね」

 話によると新垣とわたしは社内の私設ファンクラブまで存在するらしく、美月ちゃんへのアタック話は話題から逸れてきているのに、雲行きが怪しい方に向かっているのはどうにかならないのかと片手で頭を抱えてしまう。

 

「…どうにか話が逸れてよかったですね…」

「…変わらず話題の中心になってんのほんま嫌やわぁ…今からでも美月ちゃん抱えて早よう関西帰りたいわ…」

 ローストビーフを一枚食べて、赤ワインを一口含んで味わうようにもう一口飲み、ワイングラスを静かにテーブルの上に置いた。

「戸田さんはワインが様になる格好良さがありますよね〜」

「ヘヘッ、ありがとう」

 里帆ちゃんに褒めてもらえたので、感謝の意を込めてパチッとウインクしてあげた。


〜〜〜♪


「あっうちのスマホやわ…おっ妹からやな、ちょっと失礼〜」

 久しぶりに妹から着信があり、みんなには失礼しますと一言告げると、席を立って店の外へと一旦出て電話に出るのでした。