面識ありの矢代ちゃんと木元ちゃんの小話 (パート2)

面識ありの矢代ちゃんと木元ちゃんの小話 (パート2)

 


*(ドラマ)未解決の女とBOSSのクロスオーバーものになります。

*キャラクターがドラマの設定上から若干外れていたらすみませんと先にお詫びしておきます。

*木元ちゃんの年齢は矢代ちゃんの三つ上にしています。

 


 今日は珍しくボスからお昼ご飯奢ってあげるから食べに行くよ!と言ってくれたので、内面のみで喜びを露わにウキウキとスキップして同行することにした。

 外食をするのかと思いきや警視庁内の食堂へと入って行く姿に疑問符でいっぱいになったが、奢りなら何でもいいやと思い、ボスの背中を追って入った。

 ボスの方が何でもよかったのか、適当なボタン操作で日替わりランチの食券を購入し、わたしには千円札を二枚手渡すと、先にランチを受け取りに行ってしまった。

 親子丼とラーメンと餃子の食券を購入し、自分も急いでボスの後を追ってメニューを受け取った後、食堂内でボスを探していると、窓際より反対に面している四人がけのテーブルに座り自分に向かって小さく手を振っているのが見えたので、三品乗せたトレイを持って慎重に一歩ずつ進んで行く。

 ボスが座ったテーブルへとようやく辿り着くと、先客が二人前後で座って食事している様子を見たわたしは、このお二人に何か用事があるんですか?とボスに目と目を合わせて確認を取っていると…

 

「まみりん先輩のお昼ご飯の量ハンパないっすね!自分だったら親子丼じゃなく半チャーハンにしますよ」

「お願いだからまみりん先輩はやめようね〜(ニコッ)」

「うちのまみりんは、矢代さんより運動不足なのにこの健啖家だもん、胃袋にブラックホールでもあるんじゃないのって思うわよねー」

「大澤さんもつられて呼ばないでください!(ポッ)」

 ボスから呼ばれ慣れていない名で呼ばれると照れてしまうではないか。

 そんな中でも顔色を全く変えることなく、ボスの隣で淡々とスープパスタを食べている全身黒スーツの女性が気になってこっそり観察していると、視線を感じたのかこちらに目線を合わせ、目がばっちりと合ってしまいどうすべきか焦った。

「あら、あなたみたいな細身で華奢で、か弱そうな子でも刑事だったりするのかしら?」

「鳴海先輩、彼女はこう見えて中華拳法を使いこなすくらいカッコイイ刑事の先輩なんすよ!」

「えっと…中国武術少林寺拳法の初段程度なんですが…」

「ふーん、それでホルスは彼女に組み手で負けたわけ?」

「鳴海さん、組み手で負けたのはうちの木元で、負けっぱなしだと癪に触って矢代さんを拳法でどつき回したらしいのよ。確かそうよね?」

「そうなんす!木元先輩みたいに自分に向かって来てボッコボコに打ちのめしてくれるようなカッコイイ人は見たことないっすから、めちゃくちゃ惚れたんですよ〜」

「なるほど、そういう惚れ方もあるわけね…」

 矢代さんは根っからの体育会系なんだなぁと思ったのと、鳴海さんが矢代さんのことを謎の愛称で呼んでいることがふと気になってしまった。

「あの、鳴海さんは先ほど矢代さんをホルスと呼んでいたような気がするのですが…」

「ええ言ったわよ、それがどうかしたのかしら?」

「…確かホルスとは、古代エジプトのシンボルである『ホルスの目』のことですよね…ぷっ!はははっなるほど、確かに分かるような気がします」

 記憶の中のホルスの目を思い出したら思わず吹き出して笑っていた。

「ふっあははっ、ちょっと木元〜、笑ったら矢代さんに失礼じゃないの」

「って、そういうボスも笑っているじゃないですか」

 ツッコミを入れずにはいられない性分なのはどうしてなのだろうか…?

 誰ともわからないが心の中で尋ねていた。

「むむっ、先輩が自分に付けてくれたチャーミングな愛称っすよ、笑わないで欲しいっすね」

「ふんっ、チャーミングとかそんな可愛らしいものじゃないのよ〜」

「あら〜愛称を付けて呼ぶなんて可愛らしいものじゃない?」

「別に、見たまんまで呼んでるだけですから…」

「へぇー、鳴海さんは昔と比べて緩〜く丸くなったものねぇ、矢代さんの良い影響でも受けているのかなぁー?」

「大澤さんは相変わらず食えない人ですね…そういえば、また一段と大柄になったんじゃないですか?」

「寧ろ小柄だから!」

 

 大澤さんと鳴海さんのテンポの良いやりとりを聞いていると、過去の二人の関わりが気になりつつも尋ねるにはもう少し鳴海さんという人物を知ってから、いつか聞いてみることにしよう。

 ラーメンを食べ終えた今のわたしは、目の前の親子丼を美味しく完食するのが先だから!

 


ひとまず終わり。