そのぱいをわたしにください (その2 後編)

そのぱいをわたしにください (その2 後編)

 


*現実の方々とは無関係のフィクションの世界です。

*本文の無断複製・転載等行為を禁じます。

*会話文中心のおバカな話になっているので先に謝っておきます。

 


case とだみつ さきひが

 


「まなみさ~ん…一回でもうちの美月ぱい揉んだらグーパンチやでー」

「ええっ! えりかの彼女でしょ、なんとかしてよぉ…っ…キレイなたにま…ふくらみ…おいしそう……」

「むうーっ…他の人見とったらイヤやもん…うちだけ見て愛して二人でキモチイイことしよう…?」

 熱燗の許容量を超えて飲んで酔っ払ってしまっている谷村さんは、目の前の人物が比嘉さんであるという認識が欠落している様子だ。

「あれは全部恵梨香ちゃんに向けての想いやから、お熱いね~、ヒューヒュー♪」

「うふふっ、今晩連れて帰ったら朝まで寝かせへんで~わたしの美月ちゃん♡」

「…紗季ちゃんもヒューヒューじゃなくてさ…あふっ…んんっ!! 美月ちゃんなにして…るの…」

「…こうやって擦り擦りしたら…恵梨香のカラダ、いつも凄く悦んでるでしょ…」

 比嘉さんの上に跨っている谷村さんは、ブラウスをはだけさせた状態で自分の膨らみを比嘉さんの膨らみへとわざと擦り付けるように動いている。

「…ぁぁあ…ダメだよぉ…そんな艶やかに動いたら我慢できなく…なるよ…」

 谷村さんからの誘惑に自分の欲を抑えるのに必死な比嘉さん。

 比嘉さん自身もお酒の酔いが思考を鈍らせているようだが、情欲へ流されまいと理性だけはスレスレで繋ぎ止めていた。

「…恵梨香…もう我慢できへん…うちも恵梨香のおっぱいが欲しい…」

「…わたしはえりかじゃないよ…でも…触りたいし…触ってくれる…?」

 比嘉さんと谷村さんは二人だけの世界を漂うような甘くて艶めかしい雰囲気に包まれているみたいだ。

 戸田さんと相武さんは谷村さんの酔い方を熟知しているために余計な手出しが出来ず、今のところは静観するしかないといったところだろうか。

「…意外とまなみってああいう感じの誘惑に弱いかもしれんね…」

「…お酒入ってるから余計に鈍ってるのはわかる…まあ、うちは信じてるけどね…」

 二人の静観を余所に、どんどん距離を縮める谷村さんにより、比嘉さんは押されるように背中を後ろに横たえてしまう。

「…美月ちゃん…こっちへおいで…」

 比嘉さんに跨ったままの谷村さんの腰に腕を回して引き寄せようとするが、何故かびくともしない。

 戸田さんと相武さんは身を乗り出して一瞬たりと見逃さないように息を飲み込む。

 当の本人はというと…

「…あんねぇ…そんなんじゃ全然これっぽっちもアカンよ、比嘉さん」

「…へっ…?」

「紗季さんが全面的に信じてくれてるのに、彼女持ちのうちの誘惑に負けてどうするんですか?」

「…あ…えっと…その…コレはどういうことなのでしょう…」

「体起こしますよ…んしょ…」

「わっ、はうっ…みっ、美月ちゃんの胸元が眩しい…美味しそう…」

「…はぁぁ…比嘉さんも少しは痛い目に合った方がいいかもしれませね…」

 谷村さんは比嘉さんの身をグッと自分の元へ引き寄せて、直ぐにペロッ、カプッ…がじっ…と、比嘉さんの耳を舐めて耳たぶを甘噛みした。

 比嘉さんは一瞬の快感に甘さが含んだ吐息を漏らしたが、次の瞬間には耳から背筋に伝わるような痛みが走っていた。

「…んぁああ…ぅううっ…痛っ…!!」

「はい、もうその辺りでうちの親友を許してあげてくれへんかなぁ、美月ちゃん」

 比嘉さんから谷村さんをそっと引き離して、はだけているブラウスのボタンを留め直してあげる戸田さんの口調は誰よりも優しかった。

「恵梨香さんを胸ペチャ呼ばわりした罰ですもん、あんな軽い口調で訂正されてうちが我慢できるわけがないでしょう」

「あ、なるほど。何か引っかかるなぁとは思っとったけど、やっぱ半分酔ったふりで半分本気で怒ってたんやね」

「…まって、紗季ちゃんは薄々気づいてたの…!? ぅぅ…美月ちゃん恐ろしい子だ…ぁぅぅ……」

 前編の冒頭に書いたとおり、比嘉さんは生まれたばかりの子鹿のようにブルブル震えていた。

「誰が恐ろしい子ですって…? 愛する恵梨香さんに免じて今回は許しますが、これを良い機会にお酒を少し控えてみてはいかがでしょう?」

「うんうん、もうこの機会に断酒する!(高い声) 明日からのわたしは年中素面として生きていくんだから、紗季ちゃん近くで見ててね~」

「あー、うん…(直ぐに飲み助に戻ると思うけど…) 愛未ちゃんファイト」


 結局、比嘉さんの断酒は三日坊主で終わりお告げて、相武さんの予想的中となったのである。

 飲み会の後の真夜中にて、谷村さんと戸田さんは普段以上に濃密な一夜を過ごしたのでした。

 

…終わり。