ウブな彼女に要注意 (中編 その2)

ウブな彼女に要注意 (中編 その2)

(がきとだ)

 


*本編の内容から外れた番外編になります。

*現実の方々とは無関係のフィクションの世界です。

*本文の無断複製・転載等行為を禁じます。

 


「うーんと…はいっ、恵梨香さんがエッチな格好で誘惑してムラムラさせてガバッと来てもらうとかですかね?」

「まだ二人きりでお風呂すら入ってないのに、いきなりエッチな格好して見せたらあの子卒倒しそうなんですけど…」

「えっと確か、愛未ちゃんが数ヶ月前に三人で温泉旅行して来たの~いいでしょうドャァって自慢しとったけど、思えばその時裸の付き合いしてるやん」

「あの時は、まなみーのカラダが美しいねって二人で大絶賛して、ガッちゃんうちの裸は一切見ようとしてくれんかったような…しょぼん…」

「えーっそれはもったいない! 恵梨香さんの外見は痩せぎすっぽいですが、付くところには美味しそうに付いてるんですから、ねえ紗季さん?」

「ねえって同意を求められても、うちらは最近一緒に温泉入ってないし分からんって」

「美月ちゃんみたいにエロい胸の膨らみも無いし、見たいと思われてへんのよ…どよーん…」

「いや、逆に恵梨香ちゃんがフェロモン放ってて魅力的だから直視できんってことだと思うわ」

「はいっ、わたしは直視できます!」

「えー、今の美月ちゃんが直視できても何も意味ないでしょ!」

「意味なくはないですよ、しょぼんと落ち込むようなことないって自慢の彼女さんだったんですから。今だってその…大好きだし…自慢の友達ですもん」

 美月ちゃんとは喧嘩別れでも浮気や無関心の類いでお別れしたわけではないので、わたし自身も彼女と同じように思っているのだ。

「ありがとう美月ちゃん。うち自分の体に自信持って誘惑してみるわ」

テーブル越しに美月ちゃんの両手を取り、大好きと感謝の気持ちを伝えた。

「あーあ、結局いつも美月ちゃんに良いところ持っていかれるのよねぇ、なんかちょい悔しいわ~」

「紗季さんとは出会った時から役割りが違うんですよ」

「そういうことやな。ごほん…というわけで恵梨香ちゃんは、新垣さんと一緒にお風呂に入ってベッドまで連れて行って誘惑すること、これで上手くいくでしょう」

「二人共ありがとう! また相談に乗ってね~」

 


 というわけで…


 浴室前の脱衣場で、後ろ姿の新垣と対面していないこの状況はどうしたらいいんでしょうか…?

 紗季ちゃんと美月ちゃんとのノリでいこうとしたら、こちらが攻めに回らないといけないのではとしばし考えてしまう。


「何でそっち向いてこっそりと脱いでるの?」

「だって裸見られるの恥ずかしいんだもん…」

「女同士で温泉も入ってるし、今更恥ずかしいことなくない?」

「ぁぅ…それはそれだし、トッティーの裸…ホントはすごく見たいけど…ぅぅ」

 ウブな新垣さんには少し強引にいかないと、いつまでたっても進展できない様子だ。

「見たいならちゃんと見てよ! ほらっ、ガッちゃんと同じく大人の女だから」

 ガバッと体をこちらへ向かせ、両手で頬を固定して脱いだ姿を真正面から見せてあげた。

「ンンンッ!!! は…肌が真っ白い…わたしと違う胸の膨らみ…ううっ…」

「ちょっと待って、なんで鼻血吹き出してるのよーー!!」

 なんと新垣はわたしの上半身を直視しただけで、鼻血をぼたぼたと吹き出してしまい、慌ててフェイスタオルを手渡した。

「ごめん…実はこうなるの初めてじゃないの…」

「はい? どういうこと?」

「数年前に愛未と三人で初めて温泉に入った時も、トッティーの裸をチラ見したら鼻血が出てたんです…」

「あんたねぇ…それはもうその頃からわたしのことを意識してたってことじゃないの?」

「わからない、でも真っ白で綺麗な体だと思った途端、頭に血が急に上ってきて鼻血が出てたの…変な人だよね…?」

 脱衣場の床に体操座りで頭を上げながら鼻にフェイスタオルを当てている新垣の隣に座り、背中をさすって、そんなことないよと優しい口調で励ましてあげる。

「好きな人の体を見て綺麗だと思ってくれたことがとっても嬉しい。わたしも結衣の体は整ってて憧れてるというか、すごく綺麗だと思ってるもん」

 鼻血を懸命に止めながらニコッと喜んでいる目元が見えて、こういう展開でも悪くはないなと新垣を誰よりも愛おしく想い、鼓動を早めて体温が一・二度上がったような暖かさを感じているのだった。