年越し年明けSS 未解決商事の年末年始女子会 (14) ラスト

年越し年明けSS 未解決商事の年末年始女子会 (14) ラスト

 

 

*現実の方々とは無関係のフィクションの世界です。

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 年越し蕎麦も食べ終えた華の女子会の面々はというと、リビングのソファーとコタツにそれぞれ分かれてくつろぎモードに入っていた。


PM 23:37


 ソファーには京香さんと羊さんと比嘉がお酒を酌み交わしており、コーナー部分に座る波瑠ちゃんは隣の比嘉に寄り添って酔いが回っている様子で、三人の話を楽しそうに聞いているのが見える。

 コタツの方では、テレビを見ながら談笑している紗季ちゃんと里帆ちゃん、自分の横のスペースで安眠中の新垣、さっきまで羊さんと比嘉に引き入れられてお酒を散々飲まされた美月ちゃんが、わたしの脚の間にちょこんと座り抱き付いて甘え酔い状態で離れそうにない姿に、角を挟んだ隣の天海さんからまじまじと見られているのがひたすら気になって仕方がないのだった。

 美月ちゃんの中でも静かな酔い方だと言ったら色々とややこしくなりそうなので黙っておこう。

天海「ねぇ京香ちゃん、谷村さんって酔ったらいつもこんな感じになるの?」

鈴木「うちの部署の飲み会の席では気を使ってほとんど控えて飲まない子なので、酔うまで飲んだ姿は初めて見ましたね」

波瑠「確かに、流されて飲むタイプではないですもんね。こういう美月さんは知らなかったから新たな一面発見ですね」

戸田「羊さんとまなみーが飲め飲め一気一気と盛り上がるから、つられて飲んだ結果がこれなんですけど…」

吉田「ごめんね、本人も楽しそうだったから限界がわからなかったのよ…もう一杯いけますよって、ふにゃっと笑う顔が可愛かったからネー♪」

相武「あーはいはい。それにしても、恵梨香ちゃんへの甘えっぷりがすごいですよ。甘え酔いするのは愛未ちゃんだけじゃないんだねー」

比嘉「いつも絡むまで飲んでないのにー、ホントですよー、ねぇ恵梨香?」

戸田「はいはい嘘ね、まなみーはいつもふわふわして周りの人に絡むまで飲んでるやん」

鈴木「ふふっ、比嘉さんはお酒の場に慣れてるのよね。後輩の波瑠ちゃんや気を緩められない人の前ではセーブしてるって本人から聞いたことがあるわ」

天海「気心の知れた恵梨香がいるから羽目を外しても大丈夫だって安心して飲んでた。当たってるでしょ?」

 その言葉を聞くと、勘繰っている様子の天海さんには既に見透かされているような気がして。

 わたしの隣で気持ち良さそうに丸まって眠っている新垣を横から覗き、抱きついて頬に頬を擦り寄せてくる美月ちゃんの頭を優しく撫でて、わたしは観念したように話し始めようとした。

戸田「当たりですかね。この流れだと隠せそうにないんで天海さんには打ち明けますが…」

相武「待って、恵梨香ちゃん!」

戸田「は、はい!」

相武「今の状況はフェアじゃないから、軽率にモノを言うべきじゃないと思うよ」

天海「あら、賢い子がもう一人いるのね、感心感心」

鈴木「ごめんなさい天海さん、そういう繊細な話はうちの子が素面の時にでもお願いできるかしら?」

吉田「(へぇー、京香さんも谷村さんをフォローしてあげるくらい大事にしてるのか…なるほどね)」

天海「確かに、恵梨香一人に聞いたところで後から怒鳴り込んで来られても困るから、何も聞かないでおくわ」

 迂闊にも口を滑らせそうになったところ、紗季ちゃんの機転と京香さんのフォローのおかげで、美月ちゃんのプライバシーを守るべきだということを思い出したのだった。

戸田「美月ちゃんごめん…ここが唯一気を緩められる場所なのに、許してな…」

谷村「…えりかにゃん……もう…のめましぇん……Z z z…」

戸田「ありゃ、寝落ちしてもうた」

吉岡「ええー!ネコさんに抱きついて寝られるなんて羨ましすぎる…」

天海「ぷっ、恵梨香にゃんたら二人も侍らせながら眠らせるなんてお盛んな子よねー」

戸田「ま、待ってください! うちは飲ませてないですし、お盛んちゃいますにゃー!」

 寝ている二人以外からワッと笑いが起こり、こういう和やかな雰囲気に変えてくれる人達のそばに居られる幸せを噛みしめていた。


PM 23:59


天海「ちょっと!年越しまでもう一分切ってたじゃないの。誰かカウントダウンを始めて」

吉岡「10」

吉田「Q♪」

相武「蜂」

比嘉「seven」

波瑠「ロクッ」

戸田「GO」

鈴木「ヨン」

天海「3・2」

新垣・谷村「…Z z z…」

鈴木「皆さん、よいお年をお迎えください」


AM 00:00


8人「あけましておめでとうございます! !」

吉田「さあさあ、新年の祝い酒を始めましょう!」

戸田「ええっ…まだ飲むんですか?!」

天海「ネコの運転手さんがいるからまだまだ飲めるし、おめでとうのぎゅーっ!」

比嘉「えりか~おめでとう愛してるよーぎゅ~っ!」

戸田「うわぁ酒くさっ!美月ちゃん以外うるさいからだめでーす、酔っぱらい退散!」

 テンション高く賑やかにハグしてくる恋人と親友を追い払う。

 不満の声が上がるのがホント面倒くさい人達だと笑って流して。

 新年早々酔っぱらいの相手をしないといけない身にならないとわからないものだなぁとしみじみ思う。

天海「うちの嫁が冷たいわ、ぶーぶー!」

比嘉「うちの親友も冷たいですよ、わしゃわしゃ~」

戸田「あーもーやだ~この人達! こんなでも、みんな大好きだけどね…チュッ」

 顔のすぐ傍に見えている美月ちゃんの頬に年明けの初キスを落として、騒がしい酔っぱらいさん達のお相手をしていかねばと思うとため息が溢れるのだった。

 

 これからもずっとそばにいて欲しいと願っているあなたの手を掴んで優しく握ると、眠りながらも握り返し嬉しそうに微笑んでくれる大好きな人。


 抱えた想いの行き先は皆それぞれどこにあるのだろうか…


…ひとまず終わり。