年越し年明けSS 未解決商事の年末年始女子会 (13)

年越し年明けSS 未解決商事の年末年始女子会 (13)

 

 

*現実の方々とは無関係のフィクションの世界です。

*本文の無断複製・転載等行為を禁じます。

 


戸田「大丈夫、わたしが隣に付いてるよ」

谷村「…恵梨香さんにはこんな恥ずかしい姿見せたくなかったのに…お水入れます」

 この一晩を通して彼女とはお互いの存在を必要とし合っているのだと再認識できたような気がした。

 ただ、あくまでもこちらが勝手に再認識しただけであり、『今だけは恵梨香さんのものですよ』と言った美月ちゃんの慰めは本当にあのひと時だけだったと、先ほどの嫉妬心を滲ませた表情から考えられるし、今でも縋るような寝言を聞いた彼女は贖罪をしていたのではと解釈するのが妥当だろう。

戸田「終わってるんやから、わたしなんかにカッコつけんでもええのに~」

谷村「だって…(恵梨香さんには)カッコつけたいんですもん! もう行きますね…」

 そんな美月ちゃんは名残惜しそうに繋いでいる手を離し、ミネラルウォーターを注いで比嘉の元へと運び、わたしも年越し蕎麦の下準備を始めることにした。

 

天海「・・・・」

 そんな中、何か思うことがあるのか天海さんは腕を組んで考え込み、その様子を見た京香さんは気になって声を掛けた。

鈴木「何か引っかかります?」

天海「前からうっすら気になってたけど、谷村さんが妙に戸田と親しいのよねぇ、京香ちゃん何か知ってたりする?」

鈴木「そうねぇ…知らないでもないけど、皆さんがいるのでそういう話題は控えておきましょう」

天海「そうよねぇ、日を改めてまたよろしく」

鈴木「わかりました。でも…今の谷村さんは暫定的には通じてる相手が居るみたいですよ」

天海「暫定的ってどういう事? 谷村さんてさー、意外と奥手?」

 まず最初に、蕎麦つゆの出汁の準備に取り掛かろうと調理道具一式を用意していると、天海さんからとんでもない問いかけが聞こえて、大きめの鍋を落としそうになった。

(天海さん自分で地雷踏んでしまってるやん…うちどうなっても知らんで~)

谷村「(ピクッ) 奥手? そこは、積極的か消極的かで質問された方がよろしいかと思いますが…」

天海「それだと消極的? でもないわよねぇ」

鈴木「あ、えーと、天海さんそれ以上言わない方が…」

天海「戸田くらい気が強めな子がいるなら、はっきりと物が言えていいんだろけどね〜」

谷村「(キッ!) 言わせてもらいますけど、確かにはっきりと物を言ってどちらかといえば積極的な方ですが、うちに喧嘩売ってんのですか?」

天海「ぁ…まずい! もしや地雷踏んだ…?」

予想通り、準備を中断するしかなくなりましタワー!

 キッチンからダイニングスペースへと滑るように飛び込んで行き、天海さんに助言をする。

戸田「あーもーやっぱこうなるんやから…これ以上はわたしでもなかなか手に負えなくなりますから、天海さん早う謝ってください!」

天海「ごめんね~いやはや失言でした」

谷村「・・・・」

天海「・・・・(滝汗)」

戸田「みつきちゃん! 一緒にお蕎麦用意しようにゃ、こっちおいでにゃーん❤︎」

谷村「(ツンッ) 恵梨香にゃんこさん…ぎゅーってしてもいいですか? (デレッ、恵梨香さん可愛い!今すぐここで押し倒したい♡)」

戸田「もちろんにゃっ、ぎゅー!」

 眉間にシワを寄せて天海さんへと今にも襲い掛かりそうだった美月ちゃんの荒ぶった心を落ち着かせるため、わたしは美月ちゃんのネコちゃんに徹していくのでした。

吉田「恵梨香にゃん可愛い~食べちゃいたいわ~♡」

相武・天海・新垣・谷村「それはダメだ(です)からーー!!」

吉田「ですよねー。戸田さんモテモテよねぇ、お姉さんとも今度デートしない?」

戸田「えーわたくし、本命さんとは一切喧嘩したくないのでキッパリとお断りします」

相武「わたしも恵梨香ちゃんと同意なので、羊さんそろそろ誰彼構わずはやめましょうねっ!」

 紗季ちゃんに両脇を抱えられてテーブル席へと連れ戻される羊さんを見届けた後、わたしは美月ちゃんの背中に手を置いてキッチンへと戻って行った。