年越し年明けSS 未解決商事の年末年始女子会 (11)

年越し年明けSS 未解決商事の年末年始女子会 (11)

 

 

*現実の方々とは無関係のフィクションの世界です。

*本文の無断複製・転載等行為を禁じます。

*ほんのりと微エロ表現がある為、要注意

 


…ごめん…トッティー…もう隣には……

 

…ゆい…いかないで…おねがい…まってよーー……

 

 その人の後ろ姿を追って懸命に手を伸ばしてもなかなか掴めない、声を張り上げても届かなかった。

 

…ごめんなさい…えりかさん…今日でこの関係を終わりにしましょう……

 

…ぁああ…おいてかないで…いやだ!…みつきちゃんを失いたくない……

 

 ずっと傍にいてくれると思っていた、でも…心が遠くへ行ってしまうことをどうにかしても止められなかった。

 


PM 22:26

 

 寝室のベッドの上に寝かされてから一時間半くらい経っただろうか。

 苦しげに魘されていた中からの寝覚めは最悪だった。

「…はぁはぁ…んぁぁ…おいてかないで……みつき…ちゃん…」

  頬に触れる手のぬくもりを感じ、その人の腕を掴んで引き寄せて力いっぱい抱きしめる。

 瞼を開いてぼやけて見えるその人の唇に触れ、再び瞼を閉じて深いキスを求めていくと、舌を絡めて無我夢中でお互いの舌と唇を求めあった。

 忘れもしない、この唇の感触と舌の絶妙な動かし方は…美月ちゃんだ…

 

「…んんっ……はあはあ……みつきちゃん」

 抱きしめていたその人はゆっくりと離れて起き上がり、カーテンを静かに開けて闇夜に浮かぶ淡い月の光を受けた。

「だいぶ酷く魘されていましたよ…新垣さんと抜け出してから何かあった…?」

「……うち、もうあかんかもしれんわ…泣いて縋ってもみんな離れていくんやもん…ほんまアホやわ…」

「……自分の気持ちをまだ全然伝えていないのに、少し距離を縮めた相手が離れていくのも辛いもんですよ…」

「美月ちゃんも…?」

「うん、うちもそんな人に恋してアホですね…」

 その名の通りに美しい月が遠くの星々の光を見入っているその懐かしい姿に、再び目に涙が浮かんで一筋零れ落ちた。

「そういえば、こうやってキスを深く交わした後は、星空と月を二人で窓から見上げてましたよね…覚えていますか?」

 ぐいっと涙を拳で拭い体を起こして四つん這いで近づき、美月ちゃんを後ろから包み込むように抱きしめ腕を重ねて手を絡めて繋いだ。

「覚えてるよ、美月ちゃんの名前の通り月が綺麗だといつも思ってたし」

 ビクッと一瞬体を震わせてから、少し悪戯心が含んだような声が返ってくる。

「どうせ、月が綺麗だなんて軽々しく誰にでも言ってるんじゃないですか?」

「あはは、言ってるかもしれんわ」

「清々しいくらい正直な人やね、そういうところ含めて大好きなんですけどね」

 大好きだったじゃなくて進行形の意味を込めている言葉が胸を打ってきた。

 重ねた腕を解いてこちらに体を向かせ見つめ合い、唇を合わせながらベッドに二人同時に体を沈めて、背中に腕を回し手を這わせていく。

 現在の恋人のベッドで別れた筈の元恋人と熱く絡み合う唇と半身。

 いけないとわかっているのに、哀しみで冷えた心を温めてくれる美月ちゃんを求める情動が止められなくなっていた。


「わたしは、今だけは恵梨香さんのものですよ…」

 ニッと口角を上げて楽しげな表情の美月ちゃんに、何故かわたしは身包みを剥がされていくのでした。


「ちょっと待ってー!? なんでわたしの方が脱がされて…ひゃん、美月ちゃんのエッチ!」

「恵梨香さんには罰ゲームでこれを身に付けてもらいますよ! 総務部長命令です」

「はっ! まさか闇鍋から抜け出した罰なの? ま、待って~手冷たっ、くすぐったいから、おっぱい気持ち良さげに揉まないの! ぁんんっ…お腹弱いから舐めたらあかんて…あぁあああーーっ…美月ちゃぁあん!!!」

 

 美月ちゃんに身包みを剥がされて、一頻り体を愛撫された後、ネコの着ぐるみを着せられたのだった。

「すごく可愛くて今すぐにでも押し倒したくなりますよ、恵梨香にゃんこさん♡」

「んはぁ…はぁ…いや、自分結構なところまでシとったやん」

「でも、指なんて一本も挿れてませんよ、えへっ」

「美月ちゃん嘘言うたらあかんよ、その濡れた指は何なんやろねー? 妙にスッキリした顔してんのもおかしない?」

「恵梨香さんの蜜、舐めてもいいですよね? それでは…」

「舐めたらあかんから、早く洗って来なさい!! わたしも一緒にトイレ行くから」

 美月ちゃんが上になると悪戯っ子の顔を出してイケイケで楽しんでくる子なので、浮気というより変人?変わり者に弄られて転がされたようなこの妙な感覚、多重人格者の自覚はあるらしいがどうしたものかと片手で頭を抱えながら洗面所へと向かっていった。

 トイレのドアを開けて中へ入ってすぐに着ぐるみのファスナーの開閉が出来ないことに気がつき、洗面台の前にいる美月ちゃんを中へと呼んだ。

 

「第2ラウンドは狭くて大変そうですね」

「そんなんと違うって、ファスナー開けてもらわんと出来んからお願いするわ」

「お願いされたら頑張らないと」

「ここでシたら声聞こえるから、お願いだからやめてな」

 無事に用を足して、再び着ぐるみを着せられて、二人並んで綺麗に手を洗ったら意を決した。

 美月ちゃんには手を繋いでもらい、いざ罰ゲーム姿のお披露目となったのである。