年越し年明けSS 未解決商事の年末年始女子会 ⑥

年越し年明けSS 未解決商事の年末年始女子会 ⑥

 


*現実の方々とは無関係のフィクションの世界です。

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 キムチ鍋が置いてある方のテーブルでは、反対側のお誕生日席に座っている羊さんを中心に、失敗談などの話題で盛り上がっているみたいだ。

相武「里帆ちゃんが発注数を大幅に間違えた時は、出勤直後から電話対応と各所への注文変更対応で部署内が大慌てで大変でしたよね」

吉田「あの時は確か、発注数を0が一つ多くなる入力して気がつかずに全部ミスってたんだよねぇ」

吉岡「いやあぁあ…お二人共その話を暴露するなんてヒドイじゃないですか」

波瑠「ヘヘッ、吉岡もミスってたんだね~、ちょっと安心した」

吉岡「う~~、それはどういう意味の安心ですか?」

波瑠「営業部門では大概みんな一度はやっちゃったりするってことだよ。紗季さんも美月さんも身に覚えがあるはずですよ」

 サラダに入った好物のアボカドを美味しそうに食べていた美月ちゃんは、自分の名前が出たのを聞き漏らすことなく即座に反応した。

相武&谷村「「いややわ~波瑠ちゃん、紗季さん(美月ちゃん)は相当優秀でしょうから、ミスなんて無いはず!」」

吉田「あはは、うそうそ、二人共それなりにしてるから! 谷村さんも嵐の晩の停電した日にしてたもんね」

吉岡「わーっちょっとーー!!羊さんそれは言っちゃマズイですって」

谷村「な、なんであの日のミス案件をお二人が知っているんです?!」

波瑠「時々羊さんが覗きに来てることは、京香さんとたまに見つけて話題になるので、わたしは知ってましたよ」

吉田「チッチッチ、覗きじゃなくて偵察か観察ってやつだから、そこんところよろしく」

相武「羊さんは程よくサボってるだけなんやと思う…」

谷村「覗きも偵察も観察も全部そない変わらんし、ホンマに変わったことする人ですねぇ」

波瑠「出た出た! 美月さんの大阪弁はとっても可愛いから、わたしもっと聞きたいな~」

谷村「ほんま! 恵梨香さんも今の聞きました? 波瑠ちゃんに関西弁褒めてもらえたんです~テレますね」

戸田「ばっちり聞いた聞いた! 美月ちゃん良かったね~」

 お酒が入った美月ちゃんは普段の冷静沈着な姿から、緩みきった人懐っこい様子でわたしに戯れついて来ているので、頭をポンポンしてあげた。

新垣「トッティー、わたしにもそれやって~」

 新垣の頭をポンポンしてあげると、次は自分も、と手をあげている比嘉と羊さんにはハイハイ後でしますよ、と受け流すように言った。


 ようやく付けたテレビを見ながら食事と会話を続ける面子を眺めつつ、飲み物のおかわりの給仕を手伝ってくれている美月ちゃんをこっそりと廊下に呼び出して、一つ相談を持ちかけることにした。

 相談の内容を聞いた美月ちゃんは本気で実行するつもりですか?と若干の困惑と戸惑いが入った表情で聞き返してきた。

戸田「うん、タイミング的にはそれしかないじゃない」

谷村「絶対バレますよ」

戸田「バレてもいいよ、数十分抜け出すことが目的だから」

谷村「追加で買い出しに行くとか、口実なんていくらでも作ればいいじゃないですか。どうしてわざわざそのタイミングなの?」

 わたしは美月ちゃんの体を押して廊下の壁に追い込んで、美月ちゃんの顔の横側に片手をトンッと押し付け、耳元で囁いて応えてあげた。

戸田「…そうした方がスリルがあるし、ドキドキしたりしてさ、わたしに堕ちてくれそうじゃない…?」

谷村「………恵梨香さん、あんまりこういうことを軽々しくやると、痛い目に合いますよ…」

美月ちゃんはぐぐっと背伸びしてわたしの耳をカプッと甘噛みしてきたので、少し痛みが走った。