年越し年明けSS 未解決商事の年末年始女子会 ③

年越し年明けSS 未解決商事の年末年始女子会 ③


*現実の方々とは無関係のフィクションの世界です。

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 里帆ちゃんの、あきまへんあきまへん!が妙にツボに入ってしまい、頭から離れなくて笑いながらもう少し聞いてみることにした。

戸田「ふっあははっ、里帆ちゃんは確か京都出身やったよね、ほなさいならとか日常的に言うたりすんの?」

吉岡「使いますね~、おおきに!とか、かんにんね とかが一番有名やないでしょうか」

相武「関西弁でも地域によって違いがあるんやから、あんまり無茶振りせんとってください」

吉田「あ~~もう二人共超可愛い! 関西人の嫁を貰いたいですよねー、天海さん」

天海「わかる! 噛み付かれてもいいから嫁に来て欲しいってなるね~」

 羊さんと天海さんは意気投合して自分の嫁語りでも始めてしまいそうだったので、紗季ちゃんと二人でもうその辺りにしてくださいと止めに入った。

 わたし達のやりとりを少し離れたところで見ていた新垣は、隣にいる比嘉の腕を引いて何やらこっそりと耳打ちして内緒話をしているのをわたしは見逃さなかった。

(最近あの二人の距離が前よりも若干近くなってるような…やっぱりまなみが好意を隠さなくなってるのが一番大きいのかもしれない…)

 わたしの心の憂鬱を誰にも悟られないように、明るく振る舞って準備再開の音頭をとることにした。

戸田「鍋の下準備はもう少しかかるので、どなたかキッチンを手伝ってくれる方お願いします」

 紗季ちゃんと羊さんが手を挙げて、お手伝いしてくれたおかげで早いこと下準備が終わり、テーブルの上にも昼過ぎから作っていたおかずを出し終えて準備完了となり一安心した。

戸田「そういえば、食品経営企画部のお三方がまだ来てませんね。誰か連絡してもらってたりしますか?」

比嘉「さっき波瑠ちゃんに電話したら、三人でおせちを持って何件か年末の挨拶回りに行ってたらしくて、申し訳ないですが今から向かいますって言ってたよ」

相武「へぇー、愛未ちゃんってまだ波瑠ちゃんと連絡取り合ってたんだ。意外だなぁ」

比嘉「この間二人で飲みに行った時についつい飲ませ過ぎちゃってさ…てへへっ」

相武「もう、あんまり後輩に飲ませ過ぎたらダメって教えたのに、相変わらずなのか〜」

戸田「紗季ちゃん、まなみーにはもっと厳しく言わんとあかんよ。それから、あの時立て替えた分のお金、お年玉の倍返しでよろしく」

比嘉「あははっ、やっぱり恵梨香はそう言うと思った。後でお年玉袋買いに行ってくるね」

 わたし達の会話を聞いていた羊さんはお酒好きな比嘉に興味を持ったみたいで、さっそく後で飲み交そうと結束していた。

 新垣は天海さんと里帆ちゃんと一緒になって、生け花の置き場所をどこにするのかと楽しく会話をしているのが目に入った。

吉岡「やはりキッチンとダイニングの境目付近がいいかなって思いますね」

新垣「え~、もっと食卓から離れたところがいいよ、テレビの前のスペースが空いてますよね」

天海「テレビの前はダメよ、紅白もお笑い系の番組も見れないって文句が出るわよー」

吉岡「ですから、キッチンとダイニングの境目に清き一票を入れます」

新垣「ふふっ、何それ面白いねっ、じゃあわたしは~」

天海「二人の会話に水を差すようだけど、生け花を置く用のミニテーブルがあるから問題ないのよ」

 それなら最初から出してくださいよ~!と笑っている新垣と里帆ちゃんが少し眩しく感じて見えた。

 どうして無性に気になってしまうんだろう…

 比嘉と耳打ちして何を話していたのかとか、今日はあまり隣に居てくれないのはどうしてだろうなんて考え出すとキリが無くなってしまうから、一旦新垣のことは忘れようと決め込むのだった。

 その時、来客を告げるチャイムの音が室内インターホンから聞こえて、天海さんがいそいそと迎えに行く姿を見送り、自分も飲み物の準備に取り掛かることにした。