四国旅行のお供SSS (その4)

四国旅行のお供SSS (その4)

甘い愛の駆け引き (しほゆき)

彼女をベッドに押し倒したのにもかかわらず、一切触らせてもらえないのはどうしてなんだろう?

あたしなんか悪いことしたっけ?

まあ、雪野さんのことだから、普段からこんな感じではある。

ちなみにわたしは彼女の棘があるような部分は問題だと感じたことはほぼない。

だって、拗ねたり睨んだ顔であってもとても可愛いから、わざと揶揄ってしまうこともしばしばだ。

頭の両脇に両手を突いて、キスをしようと唇を近づけるが、ぷいっと逸らされてしまう。

だからといって不満を伝えようものなら、今晩はもう寝ると言いそうだし、拗ねてやらせてもらえなくなるからまったく困ったもんだ。

「ねえ雪野…したくないの?」

「…昼間しましたよ」

「昼間したのはフレンチなキスで、夜中にしたいのがディープなキスと二人きりの甘い混じり合いでしょう」

「えっち…すけべ…へんなかお」

「ちょっと、最後のは傷つくんだけど」

「今すごく変な顔してるんで、事実を伝えただけです」

「そりゃあこの体勢で何分も動かずだったら、そうなるってものよ」

「ご不満でしたらどうぞ休んでください」

「むーっ雪野が冷たい、冷凍庫で凍る蜜柑になっちゃうよー」

「なんで蜜柑?それに、わたしはそんなに冷たくないですから、誤解しています」

「誤解ねぇ…あっなるほど、心は温かいよね!」

「そうですね、志帆さんと同じくらいここが温かいんだと思いますよ」

雪野さんの手がわたしの心臓部を確かめるように触れて撫で上げてくるから、わたしは思わず甘い声が漏れてしまい焦る。

「…ふぁっ……ちょっ、雪野…その手はどういう意味なの…?」

「志帆さんばかりが体と心に触れて愛したいって思っているのが誤解だと言ってるんです、わたしじゃダメなんですか?」

「雪野ずるい…そんな顔で言われたらダメなんて言うわけないじゃない」

「それじゃあ、わたしが上になりますね」

彼女の腕がわたしの首の後ろに回り、ぐいっと引き寄せられて唇が重なる。

唇をついばみながら時々舌で舐めて柔らかさを堪能しているらしい彼女に合図を送って、深いキスをねだった。

雪野さんの舌とわたしの舌が絡み合い、わたしの頭の中は彼女からもたらされる優しさと慈しむ想いで満たされて、もう雪野さんに愛されることしか考えられなくなった…

「……んっ、はぁ……ゆきの……キスだけじゃ足りない…早くあなたの温もりが欲しい…」

雪野さんはわたしの体を真横に寝かせて素早くその上に被さり

再び唇を塞いで瞳を閉じてどんなに荒々しいキスも受け入れていく。

「しほさん…あなたの甘くて良い声をいっぱい聞かせて…」

今宵もまた一組、艶めく長い夜の始まりを告げるのである。