四国旅行のお供SSS (その2)

四国旅行のお供SSS (その2)

山が綺麗だから (しほゆき)

「見てみて雪野さん! あの青々とした山々の景色、とっても美しいわね~」

「もう赤が混じった秋景色で、青々とはしてませんよ」

「細かいことは気にしたら負けでしょ」

「橘先生はアバウト過ぎなんです」

「夕焼けや朝焼けとセットの山も綺麗なのよ」

「見たことあるんですか?」

「本で読んで見たの」

「ふーん…」

「綺麗なのは変わらないっしょ」

「そうですね」

「まあ、この仕事してたら見に行く時間がねぇ…」

「でも、今日は素敵な風景が目の前にありますよ」

「あたしの隣にもね」

「わたしは風景じゃないですよ…」

「あたしが見ている風景は、いつも雪景色が綺麗だから」

「それは比喩的な表現でしょうか?」

「あら、雪野さんが綺麗だと言って欲しかったのかな〜?」

「べ、べつにわざわざ言ってくれなくてもいいです」

「そうねぇ、雪野さんは綺麗だと思うよ、解析診断部の中でも随一でね」

「そんな社交辞令はいりません」

「そうなの?」

「植松先生みたいな人が綺麗だって言うんです」

「そうかなぁ、あたしは雪野さんが一番綺麗だと思うんだけどな…」

「それはあばたもえくぼってやつですから…ぷっ、ちょっとなんで急に変顔してるの?」

「あっ雪野さん笑ってくれた♪ このえくぼが可愛いーの♡」

「つつかないでください」

「つついちゃだめ?」

「だめ」

「じゃっ頬チューもらおうっと!チュッ」

「も、もう…しほさん外ではダメです」

「山が綺麗だから誰も見てないわよ…ねっ、していい?」

「(キョロキョロ)…ちょっとだけですよ」

(可愛い、わたしの雪野…)

ぶっきらぼうで素っ気ない新田先生だけど、彼女には可愛らしい一面があることを橘先生だけが知っているのでした。