触れ合う心と声と④

 

 

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触れ合う心と声と④

 

 

 

 腕の中で身を縮めている京香さんに何も当ててはならないとわたしは必死になっていた。

 幸いにも重い荷物は無かったが、捜査資料の小道具類が入れてある箱が背中に当たったが、痛みは特に感じなくて一安心した。

 


「ぁ…はるちゃん大丈夫…?怪我してない…?」

「背中に箱が一つ当たったんですが、痛みは無いので大丈夫ですよ。京香さんも怪我していませんね?」

「わたしは何ともないわ…守ってくれてありがとう」

「どういたしまして。でも、よかった…京香さんにもしものことがあったらわたしは…」

 

 わたしが話終わる前に、わたし達の周りに大勢のスタッフが集まり始めており、京香さんを抱きしめたままでいることをハッと思い出して、不自然にならないよう慎重な動きで彼女の腰まで片腕を下げて慰めるように撫でてあげた。

 

 その後は、その場がザワザワと騒然となり、主演であるわたしと、助演である京香さんの身体の無事を入念にチェックされたり、マネージャーや現場の監督と状況を話したりと忙しなく時間が過ぎていき、その日の行程はハプニングで時間が押してしまう以外は滞りなく終了したが、さすがにハプニングに見舞われたのは予想外で疲れを感じるのである。

 


楽屋で帰り支度をしていると、京香さんからメールが入っていて、直ぐにチェックして返信した。

 

 マネージャーには今日はもう別件の用事が入ったと伝えて、収録スタジオのビルの裏手口でお疲れ様でしたと挨拶を交わして解散し、サングラスとニット帽を被って待ち合わせのスタジオの駐車スペースまで急ぎ足で歩いて行った。

 

 指定された場所で立っていると、数分も経たぬうちに一台の車が目の前に止まってスライドドアが開き、待ちわびていた人に乗り込むようにおいでおいでと合図をもらい、乗り込んでドアを閉めるのを確認した運転手が発進しますとわたし達に合図を送って走り出すのだった。

 

「波瑠ちゃん、運転手はうちのマネージャーだから安心してその装備は解いていいわよ」

「ありがとうございます。プライベートは結構警戒して気を使っているんですよねぇ、これに普段はマスク着用で厳重だと思われますよね」

「わたしはその眼鏡姿の方がお気に入りなんだけどね~そのニット帽はどこで買ったの?」

「このニット帽はですね……」

 


 車内では普段どおりの会話のテンポが続き、車は彼女の行きつけのお店へと向かって行く…

 

 

 

 出会ってからずっとあなたに恋い焦がれていたと伝えてもいいのだろうか…?

 深く鎮めているはずの欲の塊が疼いて、今にも溢れ出してしまいそうだ。

 そんなわたしの心の葛藤を知らないであろう彼女に、仕事後に誘われて晩御飯を食べに行き、お互いに仕事について語ったりプライベートなどの会話が弾んで二人共まだまだ話し足りなくて、そのままの流れで彼女の自宅に招かれてお酒を酌み交わしていた。