夏休みシリーズ⑶

夏休みは不思議な…もう一人の(前編)(星空姉妹編)

登校日〜登校日〜♪
楽しそうですね、みゆき姉さん。
だってさ〜久しぶりにみんなと会えると思うとワクワクするじゃない。
あかねさんとやよいさんとは一昨日遊びましたよね、久しぶりとは言わないのではないですか?
そうなんだけど、学校で会うのは久しぶりだから、気分が違うの。
そういうものですかね。
そういうものそういうもの♪

学校に到着すると、生徒はまだ登校してきていない様子だった。
不思議に思いつつ校庭をぼんやり見ながら進み、校舎に入る前、れいかがわたしにお願いをしてきたのでした。

あっ、少し花壇を見に行きたいので、ここで待っててもらってもいいですか?
うん、行ってらっしゃい。
ありがとうございます姉さん、すぐ行って来ますから。

れいかが小走りで花壇へ向かう姿を見送ると、友達が誰か登校してこないかと、校門へ視線を動かしたのですが、その時…不意に冷んやりとした風が背中に当たった様な気がして、急いで振り返ると、そこにはなんと…

…みゆきねえさん、いてくださったのですね…
…ぇ…あれ!?れいかもう行ってきたの?ついさっき見送ったのに、脚早いね!
驚かせたかったので…がんばってきました、うふふ。
そうなんだ〜花壇どうだった?
花壇は…あっ、そういえば生徒会室に用事があるので、行きますね〜
えっ!?ちょっとれいか、校舎に入るんだったら一緒に…って、もう行っちゃった…

いつもより慌ただしい彼女に、わたしの頭は疑問符でいっぱいになっていたのだった。
しかし、驚いたことに、今しがた姿を見送ったはずの彼女が、息を切らした様子でわたしに声をかけて来たのでした。

はあはあ…ふぅ〜、みゆき姉さんお待たせしました!暑いので早く校舎に入りましょう。
ブワワッ!?れ、れいか、なななっなんでそこにいるの!!いまあっちに…走って行っちゃったのに…
何を言っているんですか?わたしは、花壇へ行ってから向日葵にだけ水をあげて、急いでここへ戻って来たんですよ。
向日葵に水やりしてたってことは、さっき会ったれいかって……ぎゃあああ!!!オバオバ、オバケやだよおおおお…ガタガタブルブル…
みゆき姉さん?!大丈夫ですか…?

パニックになりながら震えてその場にしゃがんだわたしと、オロオロしつつ屈んでわたしの背中をさすってくれるれいかを、登校する生徒達が不思議そうに見ては、校舎へと入って行ってくのだった。