山奥物語(仮)(16)

 山奥物語(仮)(16)
 着替え終えた私たちは居間へと移動し、座布団を二枚敷いて縦並びに座り、まずはみゆきさんの濡れた髪を拭き取って乾かしてあげることにしました。乾かしながら時々手触りで確認すると、濃いめの桃色に癖が強めのふわふわした髪質だということが分かり、少し羨ましいと思った。

私の髪は真っ直ぐのストレートなので、みゆきさんの柔らかくて癖のある髪質に憧れますよ。
そうなの?いつも朝起きた時、寝ぐせでボワッボワになるから、セットが大変なんだよー…
ストレートでも寝ぐせは付きますが、毎朝ブラシで整えて、スタイリングするだけなのでセットの苦労はあまり無いですから、一長一短と言ったところですね。
いっちょう…いったんってなに〜?
一長一短とは、良いところがあると同時に、悪いところもあること、という意味の四字熟語ですよ。私がみゆきさんの様な癖毛だったら、もっと違うアレンジにも出来ると思いますし、無い物ねだりしてしまいますね。
(くるりっ)わたし、れいかちゃんのサラサラな髪が好きだなぁ♡(さらり)
ひゃっ///
わうっ!? ごっごめん!もしかして嫌だった…?
いえ、違うんです///…急に髪に触れられると、恥ずかしいと言いますか…驚いてしまっただけなので、嫌なんて思いませんでしたよ。
よかったぁ、えへへっ///

 みゆきさんは私の髪に突然触れて怒られると思い、ビクビクした様子でこちらを伺っていましたが、嫌なんて思いませんでしたよと伝えると、ふにゃっと柔らかい笑顔を見せてくれるのでした。