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山奥物語(仮)⑨

タオルは汚れてもいいんです、洗えば何度でも使えるのですから…
あむっ、んんっ…お顔を拭いてくれてどうもありがとう…ハックション!
いけません、早く冷え切っている体を温めなければ低体温症になってしまいます。
…ぅぅ、れいかちゃんに最後に会えて…ぶるぶる……ウルトラハッピーだったよ…
そんな最後の言葉みたいな馬鹿なこと言わないでください!私が絶対にあなたを助けますから。

 木のベンチで蹲ったままのみゆきさんに失礼しますと一声かけてから、優しく抱き上げてスクーターまで運び、二人乗りでお家まで連れて行くことにしました。
みゆきさん、今からこのスクーターで私のお家まで行きますが、ぎゅっと掴まることはできますか?
…うん、なんとかがんばる…

 バス停前を出発し、そのまま道なりにしばらく行くと、舗装路から外れて山道の砂利道に入り、どうしても悪路からスクーターが振動でガタガタしてしまうのですが、後ろに跨がっているみゆきさんはしっかりしがみついてくれている様子だった。

(みゆきさんは前と同じようにお遣いを頼まれて、七色ヶ丘村まで来ていたのかしら…?でも、買い物袋などは無かったですが…わからないことはご本人に聞くしかないですね)


 急がないといけないと気が焦るばかりで、今日だけは、山奥に住んでいることがネックだと思うのだった…