山奥物語(仮)⑥

 さっきまで号泣していたのが嘘のように、にこにこ笑顔で私の隣に座り、時折私の顔を覗き込んでは、嬉しそうに顔をゆるゆると左右に振っています。
(懐いてくださっているのですね…妹が出来たみたいで可愛いです)
 みゆきさんは時々自分の犬耳を気にしながら、何かを言いあぐねている様子を察して、私から尋ねることにしました。

みゆきさんは、生き物の生態で言うと、一般的な人間では無いとお見受けしましたが…素性をお聞きしてもよろしかったですか?
うん、れいかちゃんには本当のことを言うね…
はい…(少しドキドキしています)
わたしね、実は…お…
実は…(お…おばけですか?)
狼女なの…
狼女さん、ですか?!(ホッ)
(こくん)お母さんもお父さんも狼人間なんだけど、おばあちゃんとおじいちゃんが人間だから、わたしはどちらかといえば人間の身体に近いみたいで…
隔世遺伝で人間寄りということですかね…完全に人間の姿にはなれないのでしょうか?
今だったらお腹いっぱいで力みなぎってるから、なれると思う!う〜っ…ワオン!
あら、まあ!

 なんということでしょう…みゆきさんが力んでから、ワオンと不思議な掛け声を上げると、頭の犬耳は人間の耳に変わり、着ていたローブをスルリと脱ぎ、人間の手足をバーンと見せてくれるのでした。

わ〜い、これでれいかちゃんと一緒だね〜♪
あ…えっと、そうですね…(私は…嘘をついてしまいました…)
るんる〜ん♪…は、はっ、ハクション!(ぽんっ)あぁ〜戻っちゃった、はっぷっぷ〜
ワンちゃんに戻っちゃいましたね、うふふふっ。
ワンちゃんじゃなくて、狼女だもん。がおーがおーっ!
可愛らしいワンちゃんですね♡