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山奥物語(仮)②

 くったり座りこんでしまった女の子らしき人物に、私は直ぐに駆け寄ることができず、その場に立ち竦んで迷ってしまうのでした。

(どうしたらいいのでしょう…困りました…私はあなたに触れることがとても怖いんです。それは、私の正体が…)
う、う〜ん…おなかが…
ハッ!…だ、大丈夫ですか?お腹が痛むのですか?
うう〜っ…

 フードとローブで身を隠した女の子に思わず駆け寄って行き、そっと背中に腕を回して体を支えると、少し落ち着いてきたのか、ポツリと一声を発するのでした。

おなかが…すいて…動けないの。
お腹が空いているのですか…?!
こくん…丸一日何も食べてなかった…ぅぅ。
…分かりました。何か作りますので、私のお家まであなたを抱えていくことをお許しください…

 直接肌に触れないよう気をつけて抱き上げて、私はその女の子を自宅まで運んで行きました。


 お家に到着して、鍵を開けて中へ入ったところにある、玄関の上がり間に抱えていた女の子をゆっくり降ろした時の事…女の子の被っていたフードがスルリと脱げて、私はその姿が目に入ってくると、まさか!と驚く声を上げてしまうのでした。


 フードの下から現れたのは何と、ふわふわした犬耳だったのです。