山奥物語(仮)①

 ある山奥の、人里離れた場所に、世離れする程美しい娘がおりました。
責任感が強くて優しく気立ての良い娘なのですが、とある事情から人々は恐れ慄いている為、一部の人を除いて近づく者はいなかったのです。
 娘が暮らすお家の近所には、広々とした畑があり、そこでは野菜や花が栽培されていました。野菜を育てたり、時に依頼を受けた仕事をして、細々と生活していましたが、ある時突然転機が訪れるのでした。


 ある日の事です、私は毎日の日課である畑作業を始めて、お昼頃まで雑草が生えている付近を抜いて廻り、花の水やりをしていると、ふと何か気配を感じたのと同時に声をかけられたのでした。

わ〜とっても綺麗っ!水の妖精さんみたい♪
えっ?

 声が聞こえた方向にパッと視線を向けると、フード付きのローブの様な服を着た人がピョンと跳ねているのが見えました。

…私に、な、何か御用ですか?
う〜んとね、お母さんからお使いを頼まれて、山里にある七色ヶ丘村に行く途中で…
はい。
綺麗なちょうちょを見つけて、遊んで追いかけてたらここに着いたの。
そうでしたか…
うん。何度も通った道だけれど、いつもは来ない所だったみたいで…ウルトラハッピーだなぁ!
ウルトラ…ハッピーですか??
うんうん、こんなに素敵な花畑を見たの初めてだし、綺麗な水の妖精さんみたいな人に出会えたから、とってもウルトラハッピーって思ったんだよ。
…私は、水の妖精さんというものではありませんが、褒めてくださりありがとうございます///
ぺこりと一礼して、目の前にいる人に再び視線を戻すと、その場にくったりと座りこんでしまっている姿が見えたのでした。