ホイミスライムと女戦士の旅物語③

桃色の鎧を身に着けていて、片膝立ちでしゃがみ、忙しげにショルダー鞄をゴソゴソしている人間が見えます。
えーっと確かここに入れてたはずなんだけど…あれ〜?いくつか入れてきたのに見つからないよぉ…落としちゃったのかもしれない、困ったなあ。
ハの字眉毛で瞳を曇らせる人間をしばらく眺めていたわたしは、身を起こしてきちんと向き直って大丈夫なことを伝えました。

…あの…怪我は大丈夫です、ホイミが使えますのですぐに回復します。
すごーい!ホイミが使えたら、やくそうが無くても痛いの痛いの飛んでいっちゃうね♪それに無事でよかった。
ホイミを唱えて傷が癒えると、改めて目の前にいる人間を観察してみました。

頭に黄色のリボンを付け、桃色のコロネを思わせる髪型が印象的で、身軽そうな桃色の鎧を身に着けています。それに、穏やかな表情をして優しそうな印象なので、モンスターであるわたしに対して全く警戒していないというか、余裕だから今すぐどうにかしようと思っていないのか、その印象だけでは判断ができませんでした。

わぁ〜、奥に野菜が植わっているね。あなたが育てているの?
は、はい…自給自足でなんとか食べて生活しています…
美味しそう、ふふっすごいな〜。
あ、あの…わたしとお喋りしても平気なのですか?
んん?お喋りしても平気ってどういうこと?
普通、モンスターは人間の言葉は喋らないですし、今まで来た方や先ほどの方みたいに気持ち悪いと思うはずなので…
気持ち悪いなんて全然思わないよ。あなたの澄んだ穏やかな声を聞いてると、優しい気持ちになれるから。

にっこりと微笑むその人が、とても眩しくて、思わず涙が溢れるような温かな気持ちが湧いてきていました。


ところで、あなたはここでたった一人で生活してるの?