あなたとわたしの鏡⑵後編

れいかちゃんが歌い始めたらあら不思議、さっきまで穏やかじゃなかった心は、静かに落ち着いたように鼓動を刻むのでした。

ステージから真っ直ぐ前を見つめながら笑顔で歌うれいかちゃん。
途中、マイクをスタンドに立てて、アコースティックギターに持ち替えて、一生懸命弾きながら歌うれいかちゃん。
MCでは、普段の天然さんが入った面白いトークをバンドメンバーとしているれいかちゃん。
そして、後半は踊りながら様々にミックスした曲を歌い、客席と一体になって楽しそうなれいかちゃん。

アンコールではないというおかわりの一曲が終わり、客席を見つめる彼女は自分よりも大人の様でちょっぴりおいてきぼりになっているみたいで、わたしは此処に居るよと伝えるように手を振ってみたら、普段は見せないフニャっとした子供みたいな笑顔のれいかちゃんが手を振り返してくれました。


れいかお疲れサニー!
お疲れさマーチ♪
ちょっ、二人共何その挨拶?!
うふふっお疲れいかです♪
えーっれいかちゃんまで…えっとえっと、ライブ成功のピース!
やよいさんも応援してくださりありがとうございました。
なあなあ、あのコラボしてた歌ってさ…
はいっそれはですね…

前回来た時と同じ様に、ライブ後のれいかちゃんを囲んで感想を伝えたり、労いの言葉を掛ける皆から一歩離れて遠慮がちにモジモジしているのでした。

また遠慮してるんか…みゆき〜あんたもほれ、れいかとお喋りし。
あっとと…あかねちゃんたらもう///
ステージからもよく見えてましたよ、みゆきさんの温かい眼差し。
あうう///れいかちゃんの優しくて温かい歌声を聞くとわたしも、その…ここにいる誰より何より大好きだって伝えたくなっちゃうから///ごめん、皆がいるのに…
わたしも大好きです!みゆきさんが来てくれると緊張でドキドキした心が落ち着いて元気になれるんです…

マスクをそっと外し、両手を繋いで包み込むと、わたしは精一杯思いを込めて彼女を真っ直ぐに見つめて言いました。
ありがとう、れいかちゃんのライブが楽しくてまた来たいと思ったんだ。これからも応援してるね…ちゅっ♡
みゆきさん///わたしからも…ちゅっ///
頬にキスをし合うと二人で照れて、両手を繋いだまま真っ赤になってしまいました。

まったく、うちら蚊帳の外やん。
まあまあ、二人が幸せそうだとあたしも嬉しいよ。
ああっスケッチブック忘れたよ〜残念だなぁ…



翌日、熱が上がったままフラフラしている体の具合が気になり病院に行くと、インフルエンザの診断を受けてしまうのでした。

『れいかちゃんインフルにかかっちゃったよ〜』とれいかちゃんにメールすると、『ゆっくり休んで養生してくださいね、お休みゆきさん』と返事があり、嬉しくてちょっぴり気分が軽くなっていました。


おしまい。