天使とベッドが出会う時

ピカピカー!!

るんるん、みゆきさん遊びに来ましたよ〜!

昼下がり辺りだろうか、住人達は週末のデートに行くということで楽しそうに出掛けた為、本日はゆっくり睡眠を取る予定で考えていたのだが、何やら突然賑やかな人の声がお部屋に響き渡るのだった。

あれれ?ここはどこでしょう?みゆきさんのお部屋ではないのかしら…
聞き覚えがあると思ったら、大好きな住人の一人のれいかちゃんみたいだ。
じーーっ……
な、なんだろう…すごくこちらに視線を感じるのは気のせいかな…?
おかしいですね、どなたかの心の声が目の前辺りから聞こえるのですが、誰もいません…気のせいですね〜

れいかちゃんだと思われる人物はあまり細かい事には気にしないのか、好奇心が移った模様で、突然わたしの予想を斜め上をいく行動を起こしてくるのだった。


わ〜い、柔らかくてふかふかしたベッドです!ボヨンボヨン♪ボヨンボヨ〜ン♪
ひぇ〜!!スプリングが壊れちゃうよーーっ!弾んで遊び始めるなんて…へ、ヘルプ…
うふふ、こんな素敵な楽しいベッドがあるなんて、みゆきさんにも教えてあげなくてはいけませんね。
教えなくてもいいんだよ、わたしは遊び道具じゃなくて、みゆきちゃんとれいかちゃんに安眠してもらうためのベッドとして生きてるんだもん。
えっ?まさかさっきからずっと聞こえていた心の声はベッドからなのですか?
そうです…って、初めてわたしの声が人に伝わったよ!あなたは一体?
ベッドさん、何も知らずにあなたの上で遊んでしまい申し訳ありませんでした。ここは大学生のお姉さん達の寝室みたいですね…ベッドの脇の棚にお二人が仲良く映る写真立てがありました。
あ、あの、あなたは一体どうしてベッドであるわたしの声が聞こえるの?
天使は、人や様々な物に宿りし魂の声を聞く力があるのですが……もうそろそろみゆきさんが待ちくたびれていると思うので、わたしはこれにてお暇します。
え、そんなぁ…動けないわたしとお話できる人が初めて現れたのに、行かないで…

ピカピカー!!と寝室に置いある本棚が再び光を放った後、もうそこには先ほどのれいかちゃんの声に似た彼女はいなくなっていました。


また自分に会いに来てくれるといいなと思うベッドでした。