ハロウィンクリームどら焼きを買いに(中編)

ようやく開店した〜二人共、ちょっとずつ動くからしっかりつかまってるんだよ。
はーい。
わかりましたー。

先頭から順に中へ入っては手提げ袋をにこやかに持って出てくる人を見送りつつ、今か今かと一歩ずつ前進しながら待っているわたしは、期待と不安でウズウズしていました。

もうすこしでわたしたちもおみせに入れますね。
そうだね、あと五人かな。
おかあさんうれしそうだね〜
うんうん、待ってましたーってね♪


ところが、私達親子の二人前に入って行く人と入れ替わるようにして、エプロンを付けた店員さんが出て来ると、ぺこりと一礼してから恐れていた一言を告げるのでした。

只今のお客様でハロウィンクリームどら焼きは予定数に達し完売致しましたので、大変申し訳ありませんが御了承くださいませ。

ガーン!!完売したーっ!

尚、お並びの方に限り次回限定発売予定のスノークリームどら焼き優先購入券をお配りしますので、先頭の方から御希望者に配布致します。


スノークリームどら焼きもおいしそうですね♪
おかあさん、もらって帰る?
…うん、いちおう貰っておこうか…ぐすん。
おかあさんが泣いてる!どこかいたいの?
よしよし、いたいのいたいの飛んでいけですー!
ごめん、どこも痛くないけどショックで涙が出ただけだからね…

店員さんが配布している券を受け取ると、しばらくの間、お店の前で放心したまま双子を抱えていました。


ふふっハロウィンクリームどら焼きが買えてよかったね〜
そりゃあ、早起きしてここまで足を運んだんだもん、当然よ。
六花ってばホント限定発売に弱いんだもん、叩き起こされて大変な身にもなってよね。
ごめん。でも、カエル目覚ましで起きてくれないマナを起こすにはそれくらいしないとダメなのよ…って、あら?
あっ!そこにいるのはもしかして、みゆきちゃん!

…へっ?

お店から出てきた二人組の女性に当然声を掛けられて、素っ頓狂な声を出してしまいました。