キラキラ輝く未来と悪魔のみゆきちゃん

学校帰りは時々寄り道をして、ちょっぴりイタズラをすることで空腹感が満たされるのだけど、今日だけは今まで感じたことのない温かさと出会い、心身ともに満たされる不思議な事が起こった。

ふと、河川敷の橋の上で立ち止まると、向こう側から歩いてくる親子がいた。逆光でその二人の顔はよく見えないけど、背中に見覚えのある翼を瞳が捉えて、一瞬息を飲んだ。


綺麗な青い翼…

その女性は天使のれいかちゃんよりもずっと大きな翼を背中に纏ってスラリと立ち、そしてその隣には4、5歳くらいの女の子がその女性と手を繋いでいた。その子の背中にも薄い桃色の小さな羽があり、パタパタッと小刻みに動いている様子だ。


おかあさまの言っていたとおりに、おかあさんはほんとうに悪魔さんだったんだね。
わたしは嘘なんて言わないわ、見ての通り心優しい温かくて魅力的な人よ。
うん!ねぇ、おしゃべりしてもいい?
少しだけですよ。

娘の方がわたしに向かって走り寄ってきて、足に抱き付いてきた。


わわっ、お嬢ちゃん…急にどうしたの?お母さんと一緒にこの橋を渡ってるんだよね?
えへへっおかあさまにいっぱいお願いして、ここにつれてきてもらったんだよ。
お母様ってその人のことだよね?
うん!おかあさまもはやく〜っ
あまり騒いではダメですよ、悠華…みゆきさんが困ってしまうわ。
はるか…って、あなたはどうしてわたしの名前を?!
ごめんなさいみゆきさん、娘がどうしても幼い貴女に会いたいって毎日寝ても覚めても言うものだから、ここまで来てしまったのですよ。
えっえっ、何がどうなってるの?あ…あなたはもしかして…

私の一番愛しているあの子に似たその人は、私の頭を優しく撫でてから、はるかちゃんという濃い桃色髪の娘をそっと抱っこして言いました。


残念ですが、もうそろそろ元の場所に戻る時間ね。
待ってよ、まだ全然お話してないし、あなたとその子がわたしとどういう関係なのかもイマイチわからない…
大丈夫です、貴女の未来はキラキラ輝いていますから。
待ってーーーっ!れいかちゃん…


眩しい光を浴びると目を開けていられず、次に瞳を開いた時、その場所には二人の姿はありませんでした。