読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

金の髪留め(後編)

わたしが池の側で顔に手を当てて泣いていると、スッと隣を横切る人の気配を感じました。


ざぶん…ごそごそ……見つけた♪


ぐずっ、そこにいるのはもしかして…

手で涙を拭うと、池の中に足を入れて立つ大好きな桃色の女神様が見えました。


あなたが池に落とした物は金の髪留めですか?
いいえ…ちがいます。
では、銀の髪留めですか?
それも違います、わたしが池の中に落としたのは…ぅぅ…大好きな人からお誕生日に頂いた大事な海の色の髪留めです…


わたしがそう応えると、満面の笑みで桃色の女神様が優しい声色で、それでは正直なあなたにはこの海の色の髪留めとわたしの口付けをあげましょう、と言いました。


すると、桃色の女神様は、服のポケットから取り出したハンカチを手に持ち、水滴や汚れを綺麗に拭き取ると、池から足を出し地面に片膝をついて、わたしの耳元に掛かる髪を手にとって髪留めをパチンと留めてから、額を合わせてくれました。


れいかちゃん、もう泣かなくてもいいんだよ。れいかちゃんが何度池に落としたとしても、わたしが中に入って取ってくるんだから…それと、大事な髪留めって言ってくれてとっても嬉しかったよ。
みゆきさんから頂いた物はすべてわたしの宝物なのに…池に落としてしまうなんて…ンッ///

みゆきさんから頂いた大事な物は海の色の髪留めだけじゃなくて、愛しさがたくさん込められた口付けでした。



は、は、はくしょん!寒い〜さすがに悪魔のわたしの体も寒さには耐えられないみたいだね。
あわわっお風呂をすぐに沸かしますので、温まっていってください。
れいかちゃんも一緒に入ってくれる?
いいえ、わたしは遠慮します〜
そっかぁ、じゃあもう一回れいかちゃんの髪留めをポイポイしちゃおうかなぁ♪(悪魔の微笑み)
わわっダメですよ〜…あっ!


先ほどの反対側の髪留めをするりと外されて、悪魔さんが池にポイポイしてしまいました。


そうしたら、なんとそこに現れたのは…


そなたたちが池に落としたのは、この金の髪留めクル?銀の髪留めクル〜?



人間体の姿で水面にふわふわと浮かぶキャンディがおりましたとさ…


めでたしめでたしです。