シンクロニシティ(前編)

あれは確か、中学に入学後の、春過ぎて夏の陽射しが強くなる前くらいの季節だったでしょうか…


幼馴染と帰路を共にして並んで歩いていると、この街では大きく品揃え豊富な本屋さんが見えた。


お願いがあるんだけど、本屋にちょっとだけ寄ってもいいかしら?
別にいいけど、制服でお店に入ろうなんてれいかにしては珍しいね。
そうかしら?欲しい参考書があるからすぐに買って帰りたいんですよ。
ふーん…参考書もいいけどさ、たまにはファッション雑誌や漫画とかも読んだ方が楽しいと思うし、友達との話題作りにもなるよ。
まあ…そうかもしれないわね…


幼馴染の言葉は頭の堅いわたしにはあくまでも一般的には必要かもしれないという程度に受け取ってしまい、二つ返事に聞き流していたのでした。


それじゃあ、あたしはあっちの雑誌コーナーに行くね。
はい、ではまた後ほど。


幼馴染とは別のコーナーに入って行き、中学生の参考書コーナーに向かう途中に一人の小さな女の子が見えたので、ふいに気になり立ち止まって見ていると、精一杯に背伸びをして、頭一つ高い場所の本を取ろうとしていました。


あうーっ…もうちょっとなのに…とどかないよぉ…

この本が読みたいのかな?
ぇ…ぁ、あの…ぅぅ///
ちょっと待っててね…はいっ取れました、どうぞ♪
ぁ、ぅ…///

年は五歳くらいで、髪色は濃いピンク色のお団子に纏めた髪型が印象的な女の子でした。
その女の子が受け取った本の表紙をチラッと覗くと、ピーター・パンという題名が目に止まった。


ピーターパンね、お姉ちゃんも小さい頃によく読んでたから懐かしいなぁ。
おねえちゃんもピーターパンが好きなの?
ふふっ、ピーターパンも桃太郎も勇敢で素敵ですよね?
うん!かっこいいよね〜…あの///おねえちゃん、その…えほんをとってくれて、ぁ…

れいか〜、欲しい参考書は見つかったのー?
ごめんなさい、まだなの!

じゃあ、お姉ちゃんはもう行くわね。お話ができて楽しかったから、またね♪