わたしの大事な王子様

いつも気になって目で追ってしまうのはどうしてだろう…わたしの頭の中はこんな感じで常々あの子の事ばかりでいっぱいだった。


王子様はわたしよりも貴女の方が…


ちょうどお買い物帰りの道で出くわしたお兄様の友人とは以前から面識があり、少しお話しようという流れで川沿いの土手に腰を下ろしておしゃべりしている時でした…


れいかちゃん、ぁ…えっと…
みゆきさん?!

みゆきさんが手提げを肩に掛けて、わたしとお兄様の友人を見て戸惑いの表情で立ち尽くしていた。

ごめん、お邪魔だったよね…それじゃあまた…
みゆきさん、違うんです!…待っ?!
青木さん!

何か勘違いしてしまったのか、慌てて立ち去ろうとするみゆきさんに、わたしは急いで立ち上がり動き出したすぐ直後、お兄様の友人がわたしの手首を掴みそれを阻むように止められてしまいました。

お願いです、手を離してください…
青木さん、僕は前から君を…
お願いします!わたしは…

腕を掴む力が強く、怖くて全身が震えてしまい、突き放す事が出来ずにいたわたしは思わず、立ち去る後ろ姿に必死な声色で叫んでいました。


みゆきさん…お願い、行かないでください!
ぇ…れいかちゃん?

振り返ったみゆきさんはわたしの手首を掴むお兄様の友人を凝視して、何が起こっているのか思考している様子だ。


離してください…みゆきさん、行かないで…お願いです…

みゆきさんに空いてる片腕を伸ばすと、ようやく異変に気が付いた彼女は、素早くわたしの元に駆け寄り、普段の変身しない姿では絶対に見せない様な怒りを表した顔でお兄様の友人を睨みつけています。

れいかちゃんを離してください。
何か勘違いしてるのか知らないけど、お断りするよ。
…みゆきさん、助けて…

震えながら小さな声で懇願すると、みゆきさんはわたしとその人を無理やり引き離してから、ギュッと抱き寄せてくれました。

あなたは、れいかちゃんが怖がっているのが分からないの?そんな人に彼女を渡す事は絶対に出来ないから…失礼します。


わたしの手を優しく握ったみゆきさんは、その場から急ぎ足で歩みを進めて行きました。


れいかちゃん…
みゆきさん、ごめんなさい…
本当によかったぁ、れいかちゃんに何か悪い事が起こらなくて…心臓に悪いよ。
みゆきさんが駆け寄って助けてくださったので…助かりました。
大丈夫、わたしの傍から絶対に離さないよ、大事なれいかちゃんだもん///
はい、みゆきさん…ありがとうございます///


その後、みゆきさんとわたしの関係が恋仲になるのは誰にも秘密です…