夢の中に囚われのお姫様⑨

立ち話をしていた寺田さんと別れると、わたしは急いで一番近いトイレに入り、念の為に持ってきた制服に着替え終わるとホッと胸を撫で下ろしました。

これで校内を歩いても問題は無さそうですね…

しかし、一つだけ気掛かりな事がありました。
このみゆきさんの夢の中にはもう一人の私が存在しているという事を…

もし、もう一人の私とわたしが対面したらどうなってしまうのか、正直な所、その先が想像ができませんが、今は愛するみゆきさんの所在を確認することが先決と考え、トイレの個室から出て手を洗い、その場所を離れて早速みゆきさんを探して校舎内を歩き始めました。


とは言っても学校に来たということは、確実に居場所は特定できるというわけで、考えられるとすれば、教室か屋上かもしくは生徒会室でしょうね。
今は放課後の時間帯で、先ほど寺田さんが生徒会室の方向に歩いて行ったことを考えると、一番有力な場所はあそこだと思い、わたしは颯爽と歩いて行きました。


ありました、私たちの2年2組の教室です。


教室の側に着いてから直ぐに、ガタッと廊下まで響く音が中から聞こえてきて、わたしはビクッと体を強張らせて緊張が全身に伝わるのが分かりました。


な、中で何かが起こっているのかしら…?

わたしは恐る恐る、教室のガラス戸から中を覗きました。