本当に大好きなのは…

ん…んー…?あれ、ここは……
あ、れいか、目が覚めた?
なお…?
うん、どうかした?
わたしは一体何故ここに…


目が覚めたらなおの肩に頭を置いて、先ほどまで眠っていたことがわかりました。

そして眠る前の記憶が寝ぼけているためか、とてもあやふやになっていて、暫く手持ち無沙汰に考えていました。


そうだ、わたしは行列ができる名店のどら焼きを買ってきて…それで…あなたと一緒に食べたくて、お家に向かう途中だったんだわ!うふふ〜
どら焼きがあるの!いいねいいねぇ♪ちょうど買い出しの途中でお腹が空いてたからありがたいよ。


頭の中にオレンジ色の靄がもくもくと掛かっていて、わたしは自分自身が本来行動すべき事や本当に大好きな人への愛情を見失うような感覚がじんわりと頭から伝わってきています…

大好きな…み…じゃなくて、なおが好きよ。
…え、今なんて言ったの?
だから、好きなの…
れいか…あたしもれいかの事が…


わたしとなおの顔がゆっくりと近づきかけた時でした。
正面から何かがボンッと落ちる音が聞こえてきて、慌てて顔を向けるとそこには、涙を瞳に浮かべて青白い顔で私たちを見るみゆきさんが立ち尽くしていました。


…ちょうど通りかかったなおちゃんにれいかちゃんをお願いして、お水を自販機で買って来たんだけど…いらなかったみたいだね…

みゆきさん…これはその…違うんです!わたしは…頭の中にもやもやが掛かっているから…

慌てて立ち上がったわたしの腕をなおが掴み、みゆきさんに追い打ちをかけるように状況が悪化していっています。


れいかちゃんの浮気者…ぅぅ、ばか…もう帰るからね!
みゆきさん待ってください…イヤです、わたし…みゆきさんじゃないと…

なおの腕を片手でやんわりと取り離して、背を向けて歩いていくみゆきさんを小走りで追いかけますが、足が縺れてしまい、その場で躓いてしまいました。