みんなで海に行こう②/前日の小話

それは前日の事…

よっしゃー今年は泳ぎまくるで〜!
あかねちゃんも準備運動してからじゃないと足攣っちゃうよ。
やよいは浮き輪でぷかぷか浮くだけやから準備運動はいらんやろ。
わたしだって少しは泳げるもん!
ほんならうちと一緒に泳ごうや。
それは遠慮しておくね…


れいか、ひと泳ぎしに行こう。
なお、ごめんなさい…わたし、海はちょっと苦手なのよ。
どうして?今まで毎年海でもプールでも気持ちよさそうに泳いでたじゃない。
そうね、今までは泳ぐことが大好きだったわ…でも今は違うの…

れいかちゃん、なおちゃん、お母さん達がジュースを買ってくれたから皆にどうぞってさ、はい、好きなジュースを取ってね。
ありがとうございます、ではアクエリアスを頂きますね。
うん、なおちゃんも選んでね。
あたしは…

なおちゃんはペットボトルの袋に手を伸ばさずに、れいかちゃんの腕を掴むとレジャーシートからズイッとれいかちゃんを引いて立たせました。

なおっ…いきなり引っ張らないで、ちょっとどこに行くの…?!
あたしの知ってるれいかは泳ぐことが大好きな子なんだよ…れいか、行くよ。
なお、やめて…!わたしは…イヤです…


わたしはその光景を見るに見兼ねて、レジャーシートにジュースの袋を置くと、素早く砂浜を駆けてなおちゃんの前に立ち塞がりました。


なおちゃん!れいかちゃんが嫌がってるから離してあげて。
みゆきちゃん、邪魔しないでくれる?…そこをどいて。
イヤだよ、れいかちゃんが望まないことを無理矢理やらせようとするなら、わたしはなおちゃんの邪魔をするから。
みゆきさん…なお…

クッ…みゆきちゃんが転校して来なかったら、れいかはあの姿になんてならなくて済んだんだ…泳ぐことが大好きだったれいかを、あたしの知ってるれいかを全部奪ったのはみゆきちゃんなんだよ!!どうしてあたしの邪魔をするの…許せないよ…


わたしはなおちゃんの真っ直ぐな言葉に何も言い返せななくて、心に杭を打たれてしまったみたいに胸がズキズキと痛み始めていました。

なお…みゆきさんを酷く攻めるのでしたらわたしはあなたを許しませんよ…
れいかはみゆきちゃんに出会ってから変わってしまったんだよ!変わらなくても良かった部分まで全て変わってしまった…
人は年月が経てば否が応でも変わるものです。わたしは自分自身の変化は成長でもあり、すべて良いものだと考えています。だからみゆきさんに出逢うことができて本当に良かったと思っていますよ。
れいか、あたしの大好きな幼馴染のれいかはどこに行ってしまったの…


れいかちゃんの言葉に心が救われる半面、なおちゃんからの言葉に心がズキズキと痛みを増していくことを止める術を今のわたしは知らなかったのだった…



ねぇれいかちゃん、わたしと一緒にどこまで行けるか教えてくれるかな…?

わたしは一人、海の彼方を横目で見ていました。


終わり。