刻まれた氷の傷と記憶(中編)

そうです、わたしが放ったビューティブリザードアローでハッピーを…みゆきに大怪我を負わせてしまった罪は、わたしの極めて苦しい思い出の一部として今でも記憶に鮮明に残っているのです。



あの後はどうなったのかというと…ジョーカーはサニー、ピース、マーチの三人の大技で何とか追い払いました。
それから、ハッピーの肩から流れる血を止めて傷を癒す為に、わたしは再び渾身の力をスマイルパクトに込めて、全てのパワーをハッピーの体に送りました。


意識が朦朧としながらも何とか傷を癒すことは出来たので、ハッピーは命を落とすことは無かったのですが、みゆきの肩には今後一切消えることは無い青白く一文字を象る傷が刻まれたまま残ってしまったのでした。


あの日の夢を見てたの?
…はい、わたしがみゆきに深い傷を負わせてしまったあの時の辛い記憶です…
れいかちゃん、あの時の私たちは自分達を襲う敵と戦う為に必死だったんだよ、だからビューティが放った攻撃は決して悪い行いでは無かったの、何度も二人で話をしたよね?
わかっています…でもわたしがみゆきに深い傷を刻み込んでしまった事実は決して消えることは無い、愛する人の肩にはわたしの苦い記憶が刻まれているのよ…

みゆきはわたしの体を抱きしめて、背中を撫でる手は止めずにいてくれています。わたしはその優しい手に落ち着きが戻ると、再び微睡みに委ねてうとうととし始めました。



ククッ、ビューティさん…あなたはそれでよろしいのですか?
うっ、どうして目の前にジョーカーが…

あなたは愛する者を傷付け、それで一生その苦い記憶を抱えたまま、隣で笑い合って生きていけるとお思いですか?

ビューティブリザード!はぁああっ!ジョーカー、あなたには何も関係が無い事です、二度と口を挟まないようにして差し上げます!


氷の剣を二刀流で持ち、ジョーカーに斬りつけますが、何度繰り返して体を切り落としてもすぐに黒い絵の具からドロドロと体を再生させてしまう為、斬りつける度わたしの体には真っ黒な血が吹き飛び汚れてしまいます…
それはまるで、ジョーカーの呪縛にかけられていくようで、気が滅入ってしまったわたしは叫び声を上げていました。


どうして消えないのですかっ!!どうして、わたしは、わたしは…っ?!