青いハンカチと運命の出逢いに導かれて(11)

わたしはみゆきちゃんの恋を全面的に応援するから、頑張ってゴールインだよ〜!
ぇ、ゴールインってわたし、マラソン大会とか出る予定なんて無いよ??
ゴールインの意味がちゃうし!あかんわこりゃあ…やよい、うちの勝ちが見えたな。
みゆきちゃん、急いで青木教授の研究室を訪ねてハンカチの御礼を伝えないといけないよ!日が経つに連れてそんなことあったかしら?状態になったら気まずくなってしまうから、今からすぐに行くべきだよ。

わたしは残りのたらこパスタを急かされながらクルクルとフォークで巻いて食べきると、追い立てられるように学食から飛び出す羽目になってしまいました。



…確かここが教授の研究室が集まる建物のはずだけど…何階に青木教授の研究室があるのかなぁ?

階段をしばらく上ると、三階の廊下付近から数人でお喋りする声が聞こえてきました。


あたしら今年ぃ、青木せんせーのゼミに入るからぁ、せんせーヨロシク〜♪
せんせい超可愛いから大好きだしぃ!
うふふ、ありがとうございます。でもわたしのゼミを希望するならきちんと普段からレポートの提出をしてもらわないと困るわよ。
それはまぁそれなりに頑張るから〜
ね〜っ


お姉さんとギャル風の女子学生二人組が立ち話をしてる姿を少し離れた場所で立ち尽くしながら見ていましたが、女子学生の片方がわたしに気づいた様子で大きな声が聞こえてきました。


あっあの子新入生っぽくない?せんせー相変わらず超モテモテじゃん!
え…あ!あなたは…!


わたしは急に見つかった事でビクッと体が驚いてしまい、ガタガタと緊張から震えると居ても立っても居られず、その場から後ずさりながら階段まで必死に逃げるように向かって下まで降りて、どこに向かうかなんて分からずに無我夢中で走って行きました。


はぁはぁはぁ…はぁー…逃げちゃったから絶対変に思われてるよね…

どうしてあの場から逃げ出してしまったのか分からず、頭の中は仲良さそうにお喋りするさっきの二人組のギャルとお姉さんの姿ばかりを思い出してしまいます。

(たくさんの学生がお姉さんの所に集まるから…わたしなんかが気安く話しかけるなんて…迷惑だよね)
ネガティブな思考ばかりがぐるぐると巡り、わたしは片方の瞳から雫が零れ落ちると慌てるように腕で拭います。

(ダメダメ、泣いたらハッピーが逃げちゃう、スマイルスマイル…)