スマイルファミリー⑤

母さん、お茶。
はいはい、出先だからペットボトルのお茶ね。
ゴクゴクッ…最近のお茶は種類が多すぎてわけわからんな。
それ、いつも飲んでるお父さんが一番好きなお茶だけど…
…せやな。


わぁ〜!!おさかなさんがいっぱいだ〜♪
やよいちゃんは水族館に初めて来たから大興奮だね。
うん!やよい、イルカショーがたのしみなの。
お姉ちゃんはペンギンさんが楽しみだよ。
あ、あっちのおさかなさんいぼいぼしてる〜わーい♪
やよいちゃん!手を繋いでないと迷子になるから、ギュッね。
ギュッ、やよいとみゆきおねえちゃんはらぶらぶなの♪

本日は家族で水族館に遊びに来ております。
やよいちゃんは初めての水族館でいつも以上にはしゃいで楽しそうにみゆきにベッタリとくっ付いている為、わたしは一人蚊帳の外状態で二人の後ろを歩き見守るだけなのでした。

やよいちゃん、そろそろお手洗いとか大丈夫?
おトイレ…いきたい。
それじゃあお母さんとお父さんが座ってたベンチまで戻ろうか?
うん。

私たちの後ろからゆっくりとついて来ているお母さん達の元に進路を変更して向かいました。


お母さん、やよいちゃんがおトイレ行きたいから任せたよ。
それはいいけど、みゆきとれいかは行かなくて平気なの?
大丈夫、行きたくなったら二人で適当に行くから。
分かった、それじゃあお昼ご飯までに合流するようにだけお願いね。
わかりました。

やよいちゃんはチラチラとみゆきとわたしを不安そうに見ていましたが、お母さんに連れられてお手洗いに入って行きました。

じゃあお父さん行ってくるね〜
迷子になったらあかんで〜
ならないから、れいかお姉ちゃんと一緒だもんね。
あいよ、ほな後でな。
れいかお姉ちゃん行こう。
はい!


みゆきはわたしと二人きりになる為に、わざと両親にやよいちゃんを任せて別行動をしてくれたみたいで、わたしはそんな心遣いが嬉しく思いました。

みゆき、ありがとう。
いえいえ、わたしがれいかお姉ちゃんと二人きりになりたかっただけだから…ね。
とても嬉しいわ♪
わたしも♪手を繋いでもいい?
ええ。

私たちは手を繋いで水槽をいくつも見ながら歩き、他の水槽よりも人が少ない薄暗いアマゾン館に入って行きました。


ここは他のエリアより薄暗くなってるね。
暗いところを好むお魚を集めてる水槽みたいね。
アマゾンって言ったらピラニアかな?
ふふっそうね。噛まれたら一溜まりもないわね。
それじゃあ、わたしがれいかちゃんのピラニアになるよ…
みゆき…ぁ…ん///

隅の水槽の前でわたしを後ろでに抱き締めたみゆきは、首筋にかぷっと甘噛みして来たので、わたしはみゆきの事しか考えられないくらいに体が熱くなっていました。

ちゅっ…次は二人きりで水族館に来ようね…
デートの御誘いですか…?
うん、だってわたし、れいかちゃんとこうやって繋がっていたいといつも思ってるんだよ。
わたしもみゆきと繋がっていたい…


ピラニアが泳ぐ水槽を背に持たれながら、わたしとみゆきはしばらく唇を合わせて密やかに繋がっていました。