みゆきおねえちゃん、早く元気になりますように(前編)

みゆき姉さん…早く良くなってください…
ごほっごほっ…ううぅ…はぁっはぁ…


みゆき姉さんが肺炎になってからもう三日目になります。

悪寒から始まり発熱と胸痛と咳が酷くなり、お母さんと共に姉さんを何とか病院まで連れて行き、検査を受けた結果、肺炎と診断が出ました。


みゆき姉さんの寝室には極力近づかないようにと、お母さんから珍しくきつく言われていますが、わたしは少しでも早く治るように看病をしたくて居ても立っても居られず、こっそりと部屋に入ることにしました。


額に乗せたタオルが熱を吸い、温くなっていました。わたしはタオルを洗面器に入れた氷水に浸して絞っては再び額に乗せてを何度も繰り返し行いました。

そういえば小さい頃にも同じように姉さんが寝込んだ時がありましたね…


確かあれは十年前くらいだったかな…


れいかちゃん、みゆきお姉ちゃんはお母さんが看病をするからお部屋でおとなしくしていようね。
うぅー…やです…みゆきおねえちゃんはわたしがなおしてあげます…


お母さんの傍からトコトコと離れると、お風呂場に洗面器とタオルを取りに行き、キッチンの流しの前に椅子を移動させてお水を洗面器に入れて、冷凍庫の製氷皿から氷を幾つも取って洗面器に放り込むと氷水が完成です。


できました〜おねえちゃんのおへやまではこびましょう…うーん、おもたいです…よいしょ、よいしょ…わわっ!?いたっ…

ガツン、バシャッ!

わたしは段差に足が引っかかり、転んで洗面器を落としてしまいました。

ふぇえええん…えぐっえぐっ…いたいよぉ…


床には洗面器から零れたお水と氷が散らばり、小さな水たまりの様に拡がっていっていく様子を、瞳から大粒の涙を零しながら見ていました。