時期外れのお話(前編)

今年こそ母の日にプレゼントを事前に用意しようと思い、やよいちゃんとなおちゃんと一緒にお買い物に行くことになりました。


みゆきちゃん、今回お金はちゃんと用意してるのかな?
うーん、実は…
まさか今年もお金が無いとか?!
な〜んてね、バッチリお小遣いを貯めて、プレゼントを選び放題でウルトラハッピーなのでーす♪
よかったぁ、さすがに二年連続でビーズネックレスは微妙だからね。
うん、せめてカーネーション一本くらいは用意しないとみゆきちゃんのお母さんガッカリしちゃうよね…
あはは…大丈夫だよ!全然問題無いから。


それから電車に乗る為、券売機で並んでいると、わたしの前に並ぶ小学生くらいの女の子が鞄の中からお財布を出すため鞄の中をゴソゴソと探しているが一向に見つかる気配が無く、焦っている様子です。
どうしよう…お財布、落としちゃったみたい…
どうしたのかな?
ぁ…お財布をどこかで落としちゃったみたいで…これからお母さんが入院してる病院まで行かないと行けないの…
お財布を落としちゃったのかぁ、うーん…

券売機前でもたついていると少し後ろに並ぶ男性の早くしろよー!という怒声が聞こえてきて、女の子は怯えて泣き出してしまいました。

うわーん…!お母さん、わたし会いに行けないよぉ…ごめんね、ううっ…
大丈夫!病院までのお金はお姉ちゃんに任せて、どれくらい必要なの?
電車とバスでちょっと遠くて…五百円くらい…ぐすん…
はいっこれでもう安心してお母さんの所に行けるよ。

女の子に千円を持たせてあげて券売機で無事に切符を買い終えると、ペコペコと頭を下げてありがとうお姉ちゃんと御礼を言うと、改札口に歩いて行きました。


女の子を見送り満足気に立っていると、やよいちゃんとなおちゃんが近づいてきました。
みゆきちゃん、切符買えた?
ぁ…しまった!自分の切符を買ってないじゃない、今から買ってくるー…


そのあと電車に乗り、目的地に着いたのはよかったが、今度は自分がお財布を電車の中で落としてしまった様で、駅で問い合わせてもらったら何とか無事に拾われていたそうで、後日受け渡しという形になってしまいました。

二人から交通費を借りて地元駅に戻って来れたが、今年も母の日のプレゼントを用意することができなくなり落ち込みます…


みゆきちゃんは今日はすごく良い事をしたんだから、そのお話をお母さんにしたら絶対喜んでくれるはずだよ!
そうだよ、その女の子が無事にお母さんに会いに行く手助けをしたってすごいことじゃないか!立派だと思うよ。
うん…そうだよね、お母さん喜んでくれるよね…
大丈夫だよ。
そうそう、いつもみたいにみゆきちゃんのスマイルスマイル♪
やよいちゃん、なおちゃん…ありがとう…スマイルスマイル!だね〜


二人と別れて、トボトボと帰路について歩いていると、後ろからよく見知った声でわたしを呼びかけてくれる人がいて、慌てて振り返るとそこにはれいかちゃんが走り寄ってきていました。