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☆700投稿目記念☆みゆき王女とれいか王子様の恋物語⑸

夢を見ていた。


綺麗な草花が咲き誇る花壇があり、そこには優しく微笑みながら、花の水やりをしている清らかな妖精さんの姿がありました。

声をかけると消えてしまいそうで、ただその姿だけをずっと隣で見ていたいと心から想ってしまうのは…この妖精さんに恋をしているから?


ひめさま…


人形と夢と目覚めはいつおとずれるの…?


みゆき姫様…早く…


わたしはきっと姫という人形で、夢の世界を漂うだけのちっぽけな存在…


みゆき姫様、早く起きてくださいっ!!


わわわぁあっ!?なになに??…えーっとぉ…ここは何処??

何を寝ぼけていらっしゃるのです…本日は大事な御婚礼の儀があるのですよ、あなたはこの国の王太子妃になられるというご自覚はあるのですか…?

ぁ…その…なおさん、ご…ごめんなさい。

王子様は朝早くから目覚められ、早々と準備をなされているのです、あなたはそれを支えるべくきちんと考えて行動をしなければ…
なお!どうしてみゆき姫が眠っていた掛け布団を持っているのです…?
王子、わたくしはお目覚めが遅い姫様を起こしに参ったのです、どうして剣をこちらに向けているのでしょうか?

れいか王子様は怒りをあらわに、剣を鞘から抜き、なおさんに向けて構えています。

愛する者の寝姿をそんなやすやすと見られて、平気な顔をしていられるわけがないでしょう…なお、見損ないました…
王子!御言葉ですが…まだまだ幼いお姫様を最初から甘やかすのはよろしくないと思います。
わたしが怒っている意味がわからないのですか?わたしの目にはなおが寝込みを襲う輩に見えているのですよ…起こす起こさないの問題ではありません。

尚も王子様の剣は降ろされることはなく、なおさんは根負けして、その場に片膝をつきながらひれ伏して…
大変な御無礼を働いてしまい申し訳ございません…御怒りを下さるのならば、今後はこのような事がないように努めます…

王子様、わたしは大丈夫ですから、どうか剣を収めてください。

みゆき姫、わかりました…貴女を悲しませないとやよいさんとお約束を交わしたので、貴女の言うとおりに剣を収めます。
なお、あなたは本日いっぱい、他のお仕事に就きなさい…従者はあなたでなくてもよろしいですから…
はっ、仰せのままに従います…それでは。

再び大きく一礼をしてから、なおさんは部屋から出て行かれました。


みゆき姫…ごめんなさい、わたしは貴女がこの国に来た心労を少しでも癒して欲しくてゆっくりと寝ませたかったのですが…このような事が起こってしまい、心苦しく思います…
わたしが王子様と共に目覚めて準備を行っていたらよかったのですよ、なおさんはわたしにきちんと王太子妃の自覚を持つようにと仰って下さったのです…ですから、心苦しく思わないで下さい。


ベッドに座るわたしを王子様はギュッと抱きしめて、貴女のような心優しい方がわたしの愛しき姫君で本当に良かった…嫉妬の焔で怒りを抑えられずに、大切な従者を一人失くしてしまう所でした。

わたしは王子様を支え共に導く立派な王太子妃になります!ですから、王子様も心を強く持ってわたしの隣で堂々としていてください。
はい、心得ました。


わたしと王子様は額を合わせて和かに笑うと、婚礼の儀に向けて準備を開始しました。