本当に欲しいのは、貴女の真心(BE姉妹)後編

ううっ…お姉ちゃんに喜んでもらいたくて心を込めて作ったのに…渡す前に食べちゃうなんてヒドイよホント…

河川敷の橋横の土手に腰掛けて川を眺めていると、耳馴染みのある声が背中から聞こえてきました。


ハッピー?こんな時間にどうしたの?

最悪だ、今一番会いたくない青木姉妹が並んで立ち、わたしを土手の上から見下ろしていました。

あなた達こそこんな時間にふらふら歩いて心中でもしに行くわけ?それなら最高に不幸で絶望だね…
違うよ、うちのお風呂が急に故障しちゃったから、お姉ちゃんと今から銭湯に行く途中なんだよ。
へぇーそれはさぞかし楽しみでしょうねぇ…

もうわたしの事は放っておいてくれと訴えるように、再び川に顔を戻しました。


ハッピー…何かあったの?…大丈夫?

あーもう、超ウザイなぁ…


青木姉妹の妹が傍まで寄ってきた為振り払おうと立ち上がった瞬間…わたしの横に、ワープで追いかけてきたビューティが立っていました。

れいかちゃん…?!
みゆき…?!本当にどうしていつもこうタイミングが悪いのでしょうか…
バッドエンドビューティ!

あいつのお姉ちゃんがキュアハッピーを守るように腕を広げてあいつの前に立ち、わたしのお姉ちゃんを睨み付けています。


今日はあなた達には用はありませんよ…ハッピー、あなたが作ってくださったクッキーをわたしは故意に食べてしまいました…本当にごめんなさい。
ビューティがわたしに頭を下げて謝るなんて…すごく珍しい…


頭を下げて謝るお姉ちゃんを心配そうに見ているあいつと、相変わらず警戒を緩めることは無いキュアビューティが横目に見える。


心を込めて作ったクッキーだったんだからね…
はい、とても美味しかったです…負けてしまいそうなくらいに。
もう作ってあげないんだからね!…ふんだ。
わかりました、それで構いませんから戻ってきてください。

わたしに手を差し伸べるお姉ちゃんに、まったくもう、しょうがないねぇっとブツブツ言いながらその手を取りました。
お姉ちゃんの腕に縋る様に腕を絡めると、では帰りましょうとワープの体制に入ったのだが、ちょっと待って!とストップの声が聞こえました。


れいかちゃん…あのね、わたしもれいかちゃんに本当はきちんと…

みゆき…前にも言ったように、貴女からは頂くことはできませんから…

あいつに顔を見られないように背を向けて言葉を発するお姉ちゃんの顔は、とても辛そうな苦しみに耐える表情で、悔しいけどやっぱりあいつには敵わないのかもしれないと思ってしまいました。


さあ、みゆきさん…帰りましょう…
うん。


私たちが住むお家に帰ってきました。