もう一歩の距離…君に近づきたい

あかねちゃ〜ん♡一緒に帰ろう?
こらっまだ掃除中やで、抱き付いてきたらあかんて。
ううっ…ごめん。


廊下の掃き掃除をダラダラとしていた所、みゆきが背中に甘えてくるように抱き付いてきた。
他の掃除分担でみんなバラバラだった筈なのに、何故自分の背中にくっついてきたのかを考えると直ぐに答えが出てくるわけで…

みゆき、さては掃除の途中でサボって来たんやろ?
え…あー何のことかなぁ?さっぱりわからないよ〜
こらあかん…みんな嫌々でもちゃんと掃除しとるんやから、あんたもきちんと手伝わんとあかんやろ。
だってぇ…あかねちゃんに早く会いたかったから…ごめんなさい。
そそそんなんうちに謝らんと、掃除担当のメンバーにきちんと伝えなあかんて///

早く会いたかったと可愛い事を言ってくれるみゆきに頬が緩んでしまうが、駄目だと言い聞かせる様にブルブルと首を振って顔を引き締めた。

今日は一緒に帰れるからもうちょい頑張ろう、ええか?
うん、わかった〜あかねちゃんダイスキ♡
わかってへんがな!!
えへへっ。


嬉しそうに去って行く背中を見送り、途中で手を止めていた掃き掃除を再び再開する。


さっきは注意してくれてありがとう。
うん?掃除の事か?
そうそう、案の定みんなの所に戻ったら、コラ!星空さんサボるの禁止ー!ってポコポコとタコ殴りされちゃった。
なんやて?!タコ殴りってイジメか?
ううん、違うよ。軽くぽこぽこってさ、キツイのじゃなくて戯れてる感じだったから全然優しかったよ。
なんや、それならよかったわ。
心配してくれたの?
そら心配するわ、友達やし…それに…
んー?なぁに?

キョトンとした顔で小首をかしげるみゆきに心臓がドキドキと脈打つが、好きなんてぶっちゃけて言えないから、誤魔化すようになんでもあらへんから!と返事をした。

そのあとの会話は、みゆきの絵本の話に変わり、シンデレラの絵本は擦り切れるくらい読んでるという事を話してくれた。

あんたはシンデレラみたいになりたいんやな。
うん、なれるならなってみたい。だってさ、王子様とダンスを踊るとかすっごく楽しそうだし、それにね…最後は愛する王子様と結ばれて〜ハッピーエンドになるんだ♡

幸せそうに語るみゆきの横顔を切な気に見るが、きっと彼女は気がつかない。


うちはあんたの王子様にはなれへんのかな…?隣で笑い合える幸せ者になりたいのに、どうしたらみゆきの心を振り向かす事が出来るのか考えるが、答えが見つからない。


あかねちゃん、手を繋いでくれる?
いきなりなんや?
ただ、急に繋いで欲しいと思ったのと、手が冷えちゃったんだ。
しゃーないな、ほれ。
わ〜い♪


この距離から一歩踏み出す事ができれば…