みゆき王女とれいか王子様の恋物語

わたしはとある王国の王女です。
実は、あとひと月もしたら、わたしは結婚をしなくてはいけない身の上なのです。
見たことも会ったことも無い隣国の王子様と政略結婚をすることが決まってから半年が経ちましたが、全く現実味が無く、こんなわたしが結婚なんてしてもいいのでしょうか…?
わたしはまだ一度も恋をしたことが無いのに…



みゆき様、最近はあまりお話をしてくださらなくなりましたね…お体の具合でもお悪いのですか?
やよいちゃん、心配させてしまってゴメンね…いろいろと先々の事を考えてしまうと憂鬱で心がモヤモヤしちゃうんだ…
お気持ちはよくわかります…もうひと月もしないうちに嫁がなければいけないのですから、不安にもなりますよね…
ううん、不安とかじゃなくってさ…やよいちゃんに一つ聞いてもいいかな?
はい、何なりとお聞きくださいませ。
やよいちゃんは恋したことってあるのかな?
えぇっ!?恋ですか?!
うん、やよいちゃんはわたしと同い年だから、どうなのかなぁって思ってさ。
わたしは、その…あの///
あはは〜その反応は恋してるんだね〜(ニヤニヤ
みゆき様///からかわないでくださいませ。
ゴメンゴメン〜そっかぁ、やよいちゃんはわたしの分までたくさん恋愛をして大好きな人と結婚してね♪約束だよ。
みゆき様…はい、約束をしましたのであなたの傍でこの城で過ごされる最後の日までお供致します。
ありがとう。

やよいちゃんはわたしの侍女なのですが、小さい頃から仲良くて、時々は友達のように接しながらわたしの側にいてくれたから離れることがとても辛いです。



嫁ぐ準備もすべて終えて、今日でこの城ともお別れなので、大事に育ててきた小さな庭園のお花の水やりをしたり、お花のスケッチをしようと思い、庭園に向かいました。
さっそく小さな猫の形のお気に入りのジョウロを持って水やりを開始しました。
あなた達はこれからやよいちゃんにお水を貰うんだよ〜しっかりお願いをしていくから安心してね♪
お水をあげながら花に話かけます。

わたしが水やりに熱中して庭園を歩き回っていると、服の袖を踏んづけてよろけてしまいました。
きゃっ⁉しまった…
危ない‼
わたしがずるっと転んでしまいそうになった所を誰かが支えて抱きとめてくれました。
ふぅ〜何とか間に合いましたね…よかったです。
ごめんなさい‼抱きとめて助けて頂きありがとうございました。
わたしは支えられて立ち上がると、勢いよく頭を下げて御礼を伝えました。
いえいえ、お怪我をされなくて本当によかったです。
わたしが顔を上げて助けてくれた人の姿を確認すると…

ぁ////

そこには今まで出逢ったことがない、とても綺麗な顔をした、青い王族の衣装を纏った方がわたしを優しく見つめていました。
(とても素敵な人だなぁ…まるで水の妖精さんのような///だめだぁ、何だか胸がドキドキして落ち着かなくなっちゃうよ〜)
とても綺麗な庭園ですね、色とりどりのお花がキラキラと輝いて、雨水を待ち遠しく咲き誇っています…貴女が育てていらっしゃるのですか?
は、はい!毎日お水をあげたり、肥料をあげたり、話しかけたりして育ててきました。
わかります!お花に話かけますよね〜自分の本音を唯一聞いてくれるのがお花なんですよ…って、ごめんなさい!そんなことは聞いてないですね。
いえいえ、わたしも悩みを打ち明けたり、お花が友達みたいに思って接したりしますからあなたと一緒ですよ‼
本当ですか?わ〜よかったぁ、わたしは周りから花とお話する変な人だと言われていたから、同じ様に接する人に巡り会えてとても嬉しく思います♪

ふんわりと優しく笑うこの方に惹かれ始めているわたしはどうしたらいいのだろうか…

(もしかして…これが恋という感情なのかなぁ?でもわたしはもう明日には嫁がなければいけないから…何だかよくわからないけど胸が苦しいです)


わたしを助けてくれた方と庭園のベンチに並んで座り、水やりが終わったお花を一緒に眺めていました。
あの…あなたはこの城の方では無いですよね?
ああ、自己紹介が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
いえ、こちらこそ用事で来られているのに付き合わせてしまいごめんなさい…
一応大事な予定はありますが、まずは自己紹介からしますね。
わたくしは隣国から参りました、一応身分はその国の王子をしておりまして、れいかと申します、以後お見知り置きをお願い致します。
隣国の王子様…って!!?えぇー??
あ、あの、とても驚かせてしまい大変申し訳ありません!貴女がとても魅力的な方なので…その、つい話しかけてしまいました…
(もしかして、この王子様がわたしの婚約者の方?!)
あの、よろしかったら貴女のご紹介をお願いできたらと思いまして…
わたしは、この国の…
はい、この国の?
この国の王女で、みゆきと申します!!
わたしは嬉しさと恥ずかしさからキュッと目をつむると、両腕がガタガタ震えだしてしまいました。
まさか⁉貴女がわたくしの婚約者の王女様?!
はい///そうみたいです(あぁあ…恥ずかしくて王子様の顔が見れないよぉ///)
わぁ〜本当に本当ですか?
本当に本当です。
とても嬉しいです!貴女のようなとても可愛らしく素晴らしい女性と巡り逢えて、しかもわたくしの結婚相手だとは///生きてきてよかったと今初めて思いましたよ。
両腕が震えていて落ち着かない様子のわたしを見つめながら王子様はわたしの両手を取って優しく握ってくれます。

みゆき姫、わたしはこんなに胸がドキドキと高鳴っております、伝わりますか?
優しく握った手を持ち上げて、王子様の心臓に重ねられた手を置くと、わたしと同じかそれ以上に高鳴っている鼓動が伝わりました。
はい///王子様もわたしと同じなんですね。
はい、自分でもどうやって抑えたらいいのかわからないくらいに…貴女に惹かれています。
わたしも王子様に!?(王子!ここにいたのですね、探しましたよ

落ち着いてとてもしっかりした印象の声の方が王子様を呼びに来られたみたいです。

なお、お手数を掛けてしまいましたね…あっ、みゆき姫にはきちんと紹介しますね。
王子、わたくしから自己紹介しますので。
あはは、ではそうしてください。
わたくしはれいか王子の従者のなおと申します、どうぞよろしくお願い申し上げます。
王子様の従者の方でしたか、ご丁寧にありがとうございます。
あの、失礼ですがあなたは王子様とはどのようなご関係なのでしょうか?明後日にはこちらの王女様と結婚することが決まっておりますので…
警戒心を帯びた真剣な瞳をわたしに向けてくるなおさんに、少し怖いと思ってしまいましたが、きちんと紹介をしないといけないと気持ちを奮起させました。

わたしはこの王国の王女、みゆきと申します。

あなたが王子の婚約者様でしたか?!御無礼を掛けてしまい申し訳ありませんでした。
なおさんは頭を深々と下げました。
いえいえ、気にしていませんから頭を上げてくださいね。
頭を上げたなおさんはわたしをもう一度確認するように見据えてきたから、緊張してしまいその場から動けなくなってしまいました。

なお、すぐに王宮に向かいますので、少し席を外してくれますか?
王子…わかりました。出来るだけお急ぎくださいますようお願い致します。
はい。

なおさんは一礼してから庭園を後にして歩いて行きました。


なおが貴女を怖がらせてしまいましたね、ごめんなさい。
いいえ、大丈夫ですから…ぁ////
わたしは王子様に抱き締められました。

みゆき王女、わたしと結婚してください。
れいか王子様///はい、喜んで。


明後日はわたしが王子様の元へ嫁ぐ大切な記念日になります。