泣き顔もすべてわたしに見せて

(ぶすーっ)
みゆき、ずいぶんと不機嫌な顔をしてるわね、何か嫌な事でもありましたか?
あの時の事を思い出してたの‼
あの時とはいつのことですか??
皇帝ピエーロとの最終決戦のあの時の事だよ!(ぷっくり)
みゆきはムスッとしながら顔を膨らませて、怒りを露わにわたしをじとーっと見ています。
ぇ…とその件につきましては…あの、その、ぁぅぅ…
わたしは頭を抱えて、小さく縮んでしまいました。

お姉ちゃんってなおちゃんと仲良しだもんね、わたしが妬いちゃうくらいにさ。
そりゃあ、幼馴染ですから仲は良いですよ…ですが、最後に抱きついたのはみゆきでしたから!
わたしが必死に弁明してもみゆきの機嫌は戻ってくれません。

いいもん、お姉ちゃんに真っ先に抱きつかれなくたって平気だもんねーだ。やよいちゃんとゲームしてくるから、バイバイ。
ま、待って!みゆき…行ってしまいました…(がっくり…

お姉ちゃんが一番愛してるのはみゆきなのに…みゆきじゃないとわたしはダメな人なの(ポロポロ)だめです、泣いたらハッピーが逃げてしまうから泣いちゃだめです…

わたしは涙を拭いながら、みゆきの勉強机に近づきました。

机の上には私たちスマイルチームの笑顔の集合写真と、わたしとみゆきが頭と頬を合わせて並び微笑みながら撮った写真が置いてあります。
わたしはツーショットが写った方を手に取り、みゆきが写ってる部分をそっとなぞりました。


わたしは泣き崩れた顔を貴女にはあまり見せたく無かっただけなのよ…みゆきの前ではしっかりとした自慢のお姉ちゃんでいたいから…
届かない想いをつぶやきながら、写真立てを愛しく抱きしめました。

れいかお姉ちゃんはわたしの自慢のお姉ちゃんだよ。
ぇっ…みゆき、どうして?!やよいさんのお家に行ったのでは…?

忘れ物を取りに来たの…わたしの一番大事な忘れ物をね。
みゆきはわたしに近づき、そっと包み込むようにわたしを抱き寄せて写真立てを愛しく撫でました。

れいかちゃんは自慢のお姉ちゃんでもあり、わたしの大事な恋人だよ。

体を少し離してみゆきの顔を見ると、わたしが一番大好きな、穏やかな優しい笑顔がありました。
つまらない嫉妬して泣かせちゃってゴメンね、れいかちゃんが誰を一番に見てきたのかわたしはちゃんと分かってるから。
みゆき…んっ///

みゆきはわたしに口付けながら、背中をぎゅっと抱き寄せて深く舌を絡ませるキスをしました。
れいかちゃんの笑顔も哀しみも愛しい泣き顔もわたしにたくさん見せてね。


みゆきは耳元で囁いたので、わたしはコクンと頷いてから、愛しい人の肩に顔を埋めて涙を流しました。
哀しみの涙だけではなくて、愛しさの涙というものもあるということを最愛の人に教えて貰えたので、わたしは幸せ者です。


おしまい