幼馴染は恋のライバル(なおみゆれい)最終話前編

週明けの学校
わたしは教室に着くと、先に来ていたやよいちゃんとお話しながらクラスメイトが続々と登校してくる姿を横目で見ていた。
その中でも青くさらさらとしたストレートのあの子を見つけた瞬間の胸の高鳴りは最近始まったわけではなくて、ずっと昔から…
そうだ、絵本を一緒に読もうと誘ってくれたあの時からわたしはれいかちゃんにずっと夢中だったんだね。


やよいちゃんに席に着くねと言って離れて、自分の席に座り、隣のれいかちゃんにおはようと挨拶をした。

こちらを向いたれいかちゃんの瞳を見た瞬間、わたしは全身から血の気が引いていくような感覚をおぼえた。

おはよう…ございます。

れいかちゃんは泣き腫らしたような赤くなった瞳で、何とか悲しみを堪えているような声で挨拶を返してくれました。

れ、れいかちゃん…泣いてたの?


れいかちゃんはわたしから目を逸らしてから、いえ…あくびが止まらなかったんです、それだけだから心配しないでと言ってから、会話を続けさせないオーラを発していたので、わたしは分かったと答えた。


その後もわたしを避けるようにして一日を過ごすれいかちゃんの態度に頭を悩ませていると、わたしは自分がまだきちんと返事をしていない事に気がつきました。
そうか、あの時の返事がまだだから、れいかちゃんを悩ませてしまったんだ!
わたしはれいかちゃんにきちんと返事をしようと心に決めて、放課後少し時間をくれないかと持ちかけました。



れいかちゃん、忙しいのに呼び出してごめんね。
いいえ、構いませんよ。
いつもの優しい雰囲気は見る影も無く、しんしんと降り積もる雪を纏っているように見えてしまう貴女の姿に心が痛む。

あの…お話とは何でしょうか?

れいかちゃんにきちんと伝えないといけないことがあるの。

れいかちゃんはそれを聞いた瞬間、下を向いてしまった。

あのね、わたしは昔から…
イヤです‼
ぇ⁉
聞きたくないです!

れいかちゃん、あのね…
…なおと…キスしていたのはわたしの見間違えでしょうか?

(そんな、まさかあの二回のうちのどちらかをれいかちゃんは見てしまったって…こと…だよね)
わたしはショックから声が出せなくなってしまい、何も言わないわたしの態度かられいかちゃんは肯定と捉えてしまって、ポロポロと泣き始めてしまいました。
イヤです…なおとキスする貴女なんて見たくない!ヤダぁ‼

れいかちゃんはわたしの横を通り越して、屋上から走って出て行ってしまい、彼女を追わなければ最悪の結末を迎えてしまうと、何故だか分からないが勘が働き、わたしは無我夢中で彼女を追いかけていました。


生徒会副会長の彼女が校内を必死に逃げるように走るのだから、よっぽど頭が正常に働いていないことが分かった。


れいかちゃんは私達のクラスに飛び込むように入り、わたしはそのあとを息を切らせながら追って入りました。


来ないで‼

れいかちゃん、ゴメン!
わたしは謝りながら一歩近づくとれいかちゃんは再び、来ないで!と叫んでからその場に座り込み泣き崩れてしまいました。

今まで一度も見たこともないような姿で泣き崩れるれいかちゃんを見て、わたしは拒絶されるのを覚悟して、もう一歩近づき、彼女の背中から抱きしめました。


体を大きくビクッとさせたが拒絶するような反応が無かったことに少し安堵して、そのまま抱きしめ続けます。

れいかちゃん、わたしの返事を…ううん違うな…わたしの告白を聞いてください。

嗚咽を漏らしながら、泣き続ける貴女の胸の下に腕を廻して、抱え込むように座り、息を吸い込んでから心を落ち着かせて続きを話始めました。


わたしが昔から大好きなのはれいかちゃんなんだよ。お家の中で一人きりで絵本ばかり読んでいて、友達がいなかったわたしを外に連れ出してくれたあの時からわたしはれいかちゃんに強く惹かれていったの。
引っ越してからだってれいかちゃんを忘れる日なんて無かった…この町に早く戻りたくて、田舎のおばあちゃんの家の星空に向かって毎晩祈りを捧げていたんだよ。
わたしが好きなのは、愛してるのはれいかちゃんなの!

静かに聞いていたれいかちゃんは、ぽつりと、なおとキスしたのはどうしてなの?と問いかけてきました。

わたしがきちんとなおちゃんにれいかちゃんを愛してることを伝えなかったから…って言うと言い訳みたいになってしまうけど、わたしからなおちゃんに触れたくてキスしたんじゃないんだよ。
では…なおから無理矢理奪うようにキスをされたということなのね?
二回とも不意打ちだったから、体が硬直しちゃって逃げられなかったの…ごめんなさい!れいかちゃんをこんなにも泣かせてしまうなんて…わたしは…バカだね。

わたしは我慢ができなくなり、自分の瞳からもポロポロと零れる涙を拭うことなく、そのまま抱きしめているれいかちゃんの肩に顔を埋めた。

わたしは…みゆきが大好きです。
れいか…ちゃん…ぅ、ひくっ…ぅん

わたしの腕をそっと外して、体をくるりとわたしに向けて顔を上げると、泣きはらしたれいかちゃんが見えた。

わたしは涙を腕でゴシゴシ拭ってから、れいかちゃんときちんと向き合い、両手を取ってもう一度気持ちを伝えます。


れいかちゃんを誰にも渡したくないくらい愛しくて、大好きです。わたしの恋人になってください!
精一杯の愛しい気持ちを込めて、一番の笑顔を貴女に贈ると、わたしにつられて貴女も柔らかく笑顔を見せてくれました。
はい、不束者ですが、よろしくお願いします。
なんだかそれだとお嫁さんになるみたいだね。
みゆきのお嫁さんにしてくれないのですか?
お嫁さんにする!今日かられいかちゃんはわたしの嫁だよ!
うん、ずっと離さないでね、みゆき。
ずっと離さないよ、れいか。

わたしたちはそのまま距離を縮めて、二人の顔は重なり、ゆっくりと愛を注ぎ合いました。


続きます。