幼馴染は恋のライバル(なおみゆれい)⑧

週末

れいか…緊急事態言うから慌てて来てみたら、なんやねんこの状況は…
シッ!お二人に気づかれてしまいますからお静かにお願いします。
なんで、なおとみゆきを尾行するんや?
お二人の進展状況を確かめないと不安で不安で…今日はデートするみたいなんですよ・・・


待ち合わせ場所で何かを相談しながら話しこんでいる二人を少し離れた場所からわたしとあかねさんは見つめています。


ああ、なるほどな…まったく世話の焼けるお嬢さんやなぁ‼わかった、今日一日尾行に付き合うたるからそんな沈んだ顔せんといてや。
ありがとうございます、あかねさんはとてもお優しいんですね。
困ってる人をほっとかれへんだけやで、れいかは特に時々無茶するから、隣りにおってあげんと!ちゅう感じやね。
あかねさん///ありがとう。
ええからええから、おっ、あの二人電車に乗るみたいやで!早く追わな。
はい、行きましょう。


わたしはあかねさんにストアードフェアカードを渡して、二人を追うように一つ離れた乗り場から電車に入りました。

あんた、電車のプリカをごく普通に所持しとるとかどんだけお嬢やねん…
お祖父様が緊急に電車を使うこともあるだろうと言って頂きまして、いつも数枚ほど持ち歩いているんですよ。

うちの家じゃ考えられんな。
普通の家庭ではなくて、お祖父様と一緒に暮らしているから助け合っているだけなんですよ、わたしもこの先お祖父様に何かあったら支えてあげたいと思っておりますので。
れいかはええ子やな!あんたのそういう優しいとこ、うちは好きやで。
あかねさん////もう、今日はどうかしてますよ///
うちに惚れてもうたか?
残念ながら意中の人は揺らぎませんよ。
さよか、まあそんだけ好きならしっかり捕まえなあかんで。
はい、精進します。


三つ目の駅で降りて、人が多い店舗やビルが建ち並ぶ場所を進んで行く二人の少し後ろを歩いています。



なおちゃんお腹空いてない?のど乾いたりしてない?
ふふっ、大丈夫だよ、みゆきは大丈夫?
うん!まだ平気〜映画館でフードとジュース買おうね♪
うん、たくさん食べたいな。
もう、なおちゃんは映画より食がメインなんでしょ?
映画より食よりみゆきがメインだから♡
うう、恥ずかしいよぅ///相変わらず直球な所は変わらないんだね。
これぐらい直球でいかないと、振り向いてもらえないからさ…頑張るよアタシは。
なおちゃん…
(なおちゃんのことは好きだけど…わたしが一番大好きな人は・・・れいかちゃんは今何してるんだろう…逢いたいなぁ)


(みゆき…なおと一緒にいるというのに、時々ぼーっと遠くを見つめて何を考えているの…わたしはここに居ますよ)

届かない想いをそれぞれ抱えながら、映画館に辿り着く一行。


ほお…映画を観るんか、本格的なデートやな。
あかねさん、わたしたちも入りますよ。
それはええんやけど、うち今日は急ぎで来たからあんまり所持金持ってへんよ。
わたしが持ってますから、貴重なお休みを潰して着いてきてくださってる御礼におごりますよ。
あんたのそういうとこ真似できんわ、ほんなら甘えさせてもらいます。
はい、所でどの映画を観るのでしょうか?
あの二人やったらそやなぁ…
ホラー、ポケ◯ン、恋愛洋画、アクション洋画、某ピク◯ーアニメ
やっぱあれちゃう。
あれでしょうね。


某ピク◯サーアニメの当日券を買って、わたしとあかねさんは始まるまでに、交代で御手洗いと買い物を済ませました。


わたしとあかねさんは最後尾の中央部に座って、ちょうどなおとみゆきの姿を観察できる場所を選ぶことに成功しました。
この席ならあの二人にバレんと監視できるわけやな、さすがれいかさんやな。
いえいえ、わたしたちより後ろに座られてしまっては、途中退室されたら分からなくなってしまいますからね。
それもそやな。


上映が始まり、中盤までずっと飲食が続いているなおに対してわたしは、映画よりみゆきよりメインは食ね…と思ったのは内緒です。
中盤過ぎて、クライマックスに近づいて、なおの顔が不意に横のみゆきに向いたと思った瞬間、みゆきの顔に近づいて…
(ぇ・・・嘘ですよね…キスなんてそんなこと…してないですよ…ね)
頭が真っ白になって、自分の視線の先で何が起こったのか理解できなくなってしまいました。


映画が終了し、外に出てからも先ほどの光景がわたしの頭を混乱させて、目の前がぐらぐらと歪んでしまい、うまく歩いているのかさえ分からなくなります。
やっぱり映画は迫力あってええなぁ‼な、れいか?おい、どないしたんや?何かあったんか??

ぁ、ごめんなさい…御手洗いに行ってきてもよろしいでしょうか?
大丈夫か?ついていこか?
大丈夫です。
わたしはふらつく足を何とか踏みしめて、館内のトイレに向かいました。


鏡を覗くと酷く青白くなってしまった自分の姿が映っていて、ため息が漏れてしまいました。
(もうわたしの手の届かない所までいってしまったのですか…そんなのイヤです…みゆきを奪っていかないでよ)

わたしは溢れる涙を必死に抑えようと両手で何度拭っても、瞳から溢れてきて零れ落ちてしまい、洗面台に水滴なのか涙の粒なのかわからないくらいの水たまりができてました。

そのあと、なかなか戻って来ないわたしを心配してあかねさんが迎えにきてくれましたが、どうやって家まで帰り着いたのかあまり覚えていませんでした。



続きます。