ハッピーエンドは貴女の中に(悪墜ち編❸

お姉ちゃん…
ハッピーの顔が近づいてきます。わたしの唇を塞いできて、意識を奪うように深く入り込んでくる舌に舌を絡めとられて…瞳を閉じる。

ビューティ!あかん‼
遠くでサニーの声が聞こえたような気がした。
意識が薄れると同時に体に黒いモノが流れ込んでくる感覚が駆け巡るが、わたしはソレを止める術を知らない。

堕ちていく世界
誰かいる…
真っ暗闇の中で眠る少女が見えた
あれは…わたしの眠り姫

みゆき・・・

みゆき…みゆき

わたしの小さな声は眠り姫には届かないの…?


その時不意をつく様に、サニーファイヤーがハッピーとわたしの頭上に向かって飛んできて、ハッピーはわたしから顔を離して炎の攻撃を避けた。
危ないなぁ…もう一息だったけどまぁいいかな。それにしても、サニーはまだ立ち上がる余力が残ってたんだね。


わたしを抱き起こしながら、サニーを倒すべくハッピーはわたしにもう一度囁いてきました。
ビューティ、みんなをウルトラハッピーにしてあげてよ♡


サニー、ピース、マーチは起き上がり、わたしの顔を見て青ざめていくのが見える。
ビューティ…あんたのその瞳…
水色に澄んだ瞳は黒く濁り、深い青黒さを帯びてしまっていました。


もうおしまいなんだから、さっさと終わりにしよう。
ハッピーの声がわたしの耳に入り、わたしは仲間達に向かって氷の攻撃を放つ。
ビューティブリザード…


させない!マーチシュート‼
マーチシュートとビューティブリザードが激しくぶつかり合い、大きな衝撃波で周囲の建物が吹き飛ぶ。

その隙をみて、三人の懐に潜り込み、素早い動きでそれぞれの背中を蹴りあげて、壁と地面に叩きつけるように攻撃しました。


ぐっゥああっ!!!
激しい苦痛に顔を歪めて声をあげる三人が見えた。

さすがわたしのビューティだねぇ♪さあ、ハッピーエンドはもうすぐそこだよ。


ビューティ…お願い、ハッピーに惑わされないで!
マーチが立ち上がり一歩踏み出す瞬間にビューティブリザードを三人に再び放つ。

ビューティ…

止めを刺してあげようね、大好きなみんなにさ。


わたしは力を放出し、周囲を凍り付かせて氷の弓を作りだして構える。


みゆきちゃん!みゆきちゃぁーん‼
お願いや、あんたしかビューティを止められへんのや、みゆきぃー!
みゆき‼目を覚まして!


妹に呼びかける仲間達の声が胸にズキズキと響いてくるが、わたしは構えた弓に氷の矢の力を溜め込み始める。

(お…ねえち…ゃ……ん)

耳に誰かの澄んだ声が聞こえた気がする。

(れいかお姉ちゃん…攻撃をやめてぇー)

もう一度聞こえた。愛しい人の声が…
しかしわたしはマーチに向けて止めの一矢を放ってしまう。
ビューティブリザードアロー‼


ハッピーシャワー‼

巨大な光のビームがブリザードアローを吹き飛ばした。


くっ、目が覚めたようだね、本人さん。
振り返り斜め後ろに立つハッピーを見るとハッピーシャワーの構えで立つ姿が見えた。

ビューティ!次は外さないでよ、その程度じゃ誰も射てないよね。

尚もわたしに呼びかけてくる彼女の言葉を受け、わたしは力をもう一度体の底から奮い立たせる。


アローの準備が出来てマーチを見据えた瞬間、わたしは目を疑うような光景が見える。

マーチを守るように後ろ向きで立つハッピーが居たのだ。
しかしその姿は透けていて今にも消えてしまうような存在だった。


ごめんみんな、こんな事に巻き込んでしまって…どうやって償ったらいいのかわからないけど、みんなを守るためなら盾にでもなんでもなるからね。

ハッピーがわたしを真っ直ぐ見つめて語りかけてきます。
・・・お姉ちゃん…れいかお姉ちゃんにだったら射たれて殺されたって構わないよ‼暗闇の底で眠っているわたしには、お姉ちゃんの呼ぶ声がちゃんと届いていたから!


わたしは無意識に瞳から涙の雫が零れ落ちてアローを構える手に落ちるが、ハッピーの声に何も返事ができなくて、歯を食いしばることで攻撃を踏みとどめる。


本人さん…そんな意識だけの体でどうするつもりなんだろうね。ビューティ、始末をつけて‼

わたしは渾身の力を込めた技を放った。
ビューティブリザードアロー‼


…続きます。

予告。
ハッピー‼避けて!
お姉ちゃん…愛してる…だからお願い、わたしを止め…
この光の力を貴女に届けます。