告白〜れいかお姉ちゃんはわたしのだもん

朝お姉ちゃんと一緒に登校する時間も大切なひと時です。
そんな大切なひと時に水を差されることが時々あります。今日はわたしの乙女心がゆらゆらと揺れる半日になると、下駄箱に入った手紙を見て思いました。

あら、またわたし宛のお手紙が入ってますね。
お姉ちゃんに告白しようとする男の子はすごく多い、だからわたしはラブレターを見るたびに、お姉ちゃんが誰かに取られちゃうんじゃないかと不安になります。

男の子から?
いいえ、珍しいことに女子から呼び出しみたいね、果たし状かしら?
そんな可愛らしい封筒の果たし状なんてあるのかなぁ?
世の中変わり者が多いから、わからないわよ。
中読んだの?
まだよ、教室に着いてからゆっくり読むつもりよ。


お姉ちゃんが手紙を読み始めると、なおちゃんとやよいちゃんが近づいて来ました。
れいかさんはモテますねぇ、ラブレター今月で何通目だっけ?
わたしもれいかちゃんに愛の告白をしてもいい?

お姉ちゃんは手紙を読むのに集中していて、二人の話を華麗にスルーしているみたいです。
やったー、ビッグチャンス!みゆき〜お姉ちゃんに新しい恋人ができたらあたしと付き合ってね♪
絶対に許しません‼
ちゃっかりしっかりわたしに関わる話は聞き漏らさないお姉ちゃんって何だかすごいなぁと関心してしまいます。

そんなこと言ってぇ、大切な妹の前でラブレターをニヤニヤしながら読んでるお姉さんには説得力が無いんじゃないの。
ニヤニヤなんてしてませんから、あなたの妄想にはほとほと困りますね。

みゆきちゃんはれいかちゃんに恋人ができたらどうする?
わたしは……
やよいちゃんに何も言えなくなってしまいました。

みゆき、わたしは貴女以外誰も目に入らないの、だから心配なんてしなくてもいいのよ。
お姉ちゃんがわたしの後ろに立って、腕を廻して抱き締めてくれます。
わたしはお姉ちゃんが幸せならそれでいいから。


放課後、ラブレターの相手に会いに行ったお姉ちゃんの傍にいるわけにもいかないから、先に帰ることにしました。

みゆき、一緒に帰ろうよ。
なおちゃん!部活は?
今日はお休みなんだよ、姉が居ぬ間にみゆきを独り占めしとかないとな〜ってね。
そっか、じゃあ帰ろう。
うん。

クラスの話から昔の話まででてきたりしてわたしとなおちゃんはワイワイ言いながら帰り道を歩きます。

なおちゃんありがとうね。
いきなりどうしたの?
なおちゃんは小さい頃からずっとわたしとお話したり遊んでくれたから、だからありがとうなの。
もう、みゆきは律儀だなぁ、でもそういう所も好きだよ。
えへへ、ありがとう。


今更だけどさ、みゆきは小さい頃はお姉ちゃんが苦手だったの?
あぁ、なおちゃんにも言ってなかったね。
うん、ずっと気になってたから…

お姉ちゃんは青木家の長女だから幼い頃からきちんとして、とても聞き分けが良くて周りからも評判がいい子供だったの。
わたしはそんなお姉ちゃんに憧れていて、自分もちゃんとしなくちゃいけないと思ったら、お姉ちゃんと上手くしゃべれなくなってた。
それはよく分かるな、あたしもいろんな人とサッカーやってたらさ、憧れの人には一歩引いちゃって上手く話せなくなったりしちゃうんだよね。
なおちゃんでもそういう事があるんだね。
あるある、自分とはレベルが違う世界の人間だと思うと、遠慮しちゃうよねぇ。

うん、お姉ちゃんは変わらず優しく接してくれたんだけど、近づいて邪魔しちゃいけないとか迷惑をかけたくなかったから、距離ができてたんだよ。


お姉ちゃんとの幼い頃のお話をしてたらお家に到着していました。
じゃあ続きはまた今度ね。
わかった、約束だよ。
うん!聞いてくれてありがとう、バイバイ。
また明日ね、バイバ〜イ。


お家に入って着替えてから、お母さんの晩御飯作りのお手伝いをしばらくしていたら、お姉ちゃんが帰ってきました。
みゆき、ちょっといいですか?
うん?どうしたの?

炊事場から手を引かれてお部屋に連れて行かれます。
部屋に入った直後にお姉ちゃんは鞄を落として、わたしをぎゅっと抱き締めてきました。
お姉ちゃん…何かあったの?
普段のような冷静さや落ち着きが無くて、動揺がすごく伝わってくる。
告白された…でもわたしの大好きは貴女だけなの。
うん、分かってるよ。
愛してる人がいると伝えたら、泣かせてしまったの…
傷つけて泣かせてしまったことに罪悪感を憶えてしまったのだろう、お姉ちゃんらしいなっと思います。
もしかして泣かせたままそのまま帰ってきたんじゃないよね?
どうやって泣き止ませたらいいのか分からなかったから、謝って帰ってきたわよ。
はぁー…お姉ちゃん生徒会長さんなんだからさ、泣かせたままそのまま帰るのはよくないと思うよ。
そんな、告白なんて学校は関係無くてプライベートの話でしょ、生徒会長の立場は関係無いと思うんだけど…

お姉ちゃんとそれについてのお話をしばらくしていたら、晩御飯の時間になってしまっていたので、先に食べに行くことにしました。


れいかお姉ちゃんは女の子を泣かせてしまってもしっかり泣き止ませられる人だと思ってたけど、自分の事になると冷静でいられなくなってしまうのか…なるほどね、姉の意外な一面を知ってわたしはちょっと安心しました。


食後の後片付けを済ませて部屋に戻ると、お姉ちゃんと向き合って手を包み込んでしっかりと目を見つめてわたしの気持ちを伝えます。
幼い頃から憧れのお姉ちゃんだった、でも今日の女の子の告白で冷静さが無くなったお姉ちゃんの新たな一面を知って…
幻滅させてしまいましたか?
嬉しかったんだよ、わたしと同じように弱い部分がある女の子なんだと分かったからね〜

時々冷静さが無くなって駄目なわたしでも好きでいてくれますか?
もちろん!だってれいかお姉ちゃんはわたしのだもん‼大好きな愛しい恋人さんなんだよ。
はい///みゆき、わたし今とっても幸せですよ。
わたしもウルトラハッピーだよ♪


しばらく愛しい恋人さんを抱き締めたあと体を離してからさっきのお話の続きをします。
お姉ちゃん、女の子を泣かせても放置したら駄目だからね。
それに関しては今後は気をつけるわ、でもわたしだってずっと生徒会長として冷静でいられるわけじゃないんですよ…
その時はわたしが支えるから、大丈夫だよ、お姉ちゃんは一人じゃないからね。
みゆき///みゆきがわたしの妹で、恋人で本当によかった‼
えへん!自慢の妹で恋人ですね。
そうですね♪


終わり。