星空れいかと青木みゆきのお話⑷

佐々木先生からホームルームと続きの一時間目の授業を使って文化祭の劇について決めるようにお願いされたので、教壇に立ち、司会進行をしながらクラスメイトに呼びかけました。


演目はいろいろと上がって、シンデレラ・不思議の国のアリスロミオとジュリエット・白雪姫・相棒…などなどが候補にあがりました。
…相棒ってあのドラマの相棒でしょうか⁈姉さんと一緒に時々は見ていましたが、さすがに中学生の劇ではできないですよね。

では多数決の結果、白雪姫となりましたので、次は配役を決めていきます。
はい!
日野さん、何かありましたか?
白雪姫は青木みゆきさんがええと思いま〜す‼
お〜みゆきちゃんなら似合いそうやら、青木の妹なら可愛いだろうな!やら、
クラスの皆さんの殆どの方がみゆきさんの白雪姫を賛成しています。
推薦ということですね、みゆきさん本人はいかがですか?
みゆきさんは窓の外を憂鬱交じりの瞳で見つめています。
あの、みゆきさん⁇
クラスの皆さんからの注目を集めているにもかかわらず、ぼーっと気がつかずに自分の世界に入ってしまっているのか、気がつきません。

はぁ…しょうがないですね、あまり大きな声は出したくないですが止むを得ませんね。

みゆき‼きちんとクラスの決め事には参加しなさい!
わたしが一喝したのを聞いて、みゆきの体がビクッとなり、驚いて立ち上がってしまったようです。
ふぇっ?!ごめんなさい、聞いてませんでしたー。
それを聞いたクラスの皆さんは大笑いしてみゆきさんをもうしょうがない子だなぁといった感じで、温かく受け入れていたので、どちらの世界でも素晴らしいメンバーに恵まれていることに感激しました。

では、白雪姫役は青木みゆきさんで決定でよろしいですね。
立ち上がったまましばらく呆然としていたみゆきさんが、えーっそんな急に主役とか無理だよ〜とオロオロしていましたが、皆さんの温かい拍手であとに引けなくなったのか、分かりました‼頑張りますと気合いを入れていました。


それでは次は王子様を…
と言った瞬間から争奪戦が始まりました。
クラスのほぼ全員が一つの役を取り合う為のじゃんけん対決が始まり、わたしもその中に何故か自動的に入っておりました。

壮絶なじゃんけん対決の結果、わたしが運良く勝ち上がり、王子様役に決定しました。
はぁ、とりあえずはクラスの男子のキスからはみゆきさんをお護りできたので一安心ですね。

そのあとも細かい配役や、それぞれの役回りや仕事の分担を決めて、一件落着し、そのあとの時間の授業も無事に終わりました。



掃除の時間にあかねさんが朝の続きを話そうかとおっしゃって来られたので、窓を拭きながらお話をする事にしました。


まず一つ質問してええか?
はい、どうぞ。
あんた、ホンマにみゆきの姉さんか?
心臓が飛び出そうになる程驚きましたが、顔に出さないように努めながら、そうですよと答えました。
あかんで〜れいか君、嘘はついたら・・・あかんべー。
一瞬吹きそうになりましたが、笑って堪えてから嘘ではありませんよと返してもあかねさんには通じませんでした。


あんなぁ…小さい頃からずっとみゆき一筋であんだけ大切に大事に溺愛するように愛しとるれいかが、なおとみゆきがお付き合いしてる何て言うわけないやろ…

ああっ…わたしはとんでもない勘違いをしてみゆきさんを知らないうちに傷付けていたのですね。みゆきさんごめんなさい!貴女にきちんと謝らなければいけないです。

そうだったんですね、ごめんなさいあかねさん!わたしは正真正銘のれいかですが、みゆきさんのお姉様の青木れいかではないんです。

あかねさんは目をぱちぱちさせてから、わたしの顔をじっくり観察したあと、確かにれいかやけど姉さんちゃうって言うんはホンマみたいやな。
ごめんなさい、いろいろと事情がありまして…
ええよ、それについてはまたきちんと教えてな。それよりもみゆきをどうするんかちゃんと考えてあげなあかんよ。
はい、みゆきさんにはきちんとわたしの気持ちをお伝えして、お姫様の悲しみをわたしが癒して無くしてみせます!


教室の窓をぴかぴかに磨き上げて高々とあかねさんに宣言しました。
続きます。